プレコンセプションケア

妊娠前から始める、自分と未来の家族のための健康づくり

プレコンセプションケアとは、若い男女が将来のライフプランを考えて、日々の生活や健康と向き合うことです。

将来、妊娠・出産を考えている人はもちろん、すぐに妊娠を希望していない方や、まだ考えたことがない方にとっても、自分の心と体を大切にするためにとても大切な考え方です。

なぜプレコンセプションケアが必要なの?

健康的な妊娠・出産のため

月経不順や感染症、生活習慣の乱れなどに早く気付き、改善することで妊娠しやすい体づくりができます。また、妊娠中に起こる合併症(妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病など)や、赤ちゃんへの影響(早産、低出生体重児、先天異常など)は、妊娠前の健康状態に大きく左右されます。

慢性疾患や薬の影響を最小限にするため

糖尿病、高血圧、てんかんなどの持病がある場合、妊娠前にコントロールすることが大切です。妊娠に影響を与える薬の見直しや変更も、妊娠前に行うことで安全性が高まります。

自分らしい人生設計をするため

意図せず妊娠するケースも多く、気づかないうちに薬やアルコールを摂取していた、ということも。自分らしい人生設計をするためにも、将来の妊娠や健康について日頃から関心を持ち、必要な知識や準備を整えておくことが大切です。妊娠前から自分の体と向き合うことが、安心・安全な妊娠に繋がります。

 

どんなことをすればいいの?

  1. 生活習慣を見直す

  • 栄養バランスのとれた食事

不規則な食事をしていると栄養が偏り、からだの免疫低下や生活習慣病につながります。

1日3食が基本であり、できるだけバランスよく主食・主菜・副菜を摂りましょう。

特に「葉酸」「鉄」「カルシウム」などは妊娠に備えて重要です。

葉酸は妊娠初期の赤ちゃんの発育に大切なビタミンです。葉酸が不足すると、二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発生リスクが上がります。1日0.4mg(400μg)の葉酸を食事やサプリメントなどから摂取するように心がけましょう。

※サプリメントの摂りすぎには注意が必要です。

~葉酸を豊富に含む食品~

ほうれん草 ブロッコリー 枝豆 納豆 いちご

 

女性のからだは、月経や妊娠で多くの鉄分が必要です。妊娠中の鉄分不足は、早産や低出生体重児、分娩時の出血増加、産後うつなどに影響を及ぼす可能性があるといわれています。鉄分の吸収をサポートするビタミンCも一緒に摂取しましょう。

~鉄分を豊富に含む食品~

豚レバー あさり ほうれん草 小松菜 納豆 など

※レバーは葉酸や鉄分以外にビタミンAも多く含んでいます。赤ちゃんの奇形につながる可能性があるので、ビタミンAの摂りすぎには注意しましょう。

~ビタミンCを豊富に含む食品~

アセロラジュース レモン オレンジ ブロッコリー かぼちゃ 黄パプリカなど

 

カルシウムは、骨や歯をつくるなどの重要な役割があります。若いうちから摂取することで、将来の骨粗しょう症予防にもなります。カルシウムの吸収をサポートするビタミンDも一緒に摂取しましょう。

~カルシウムを豊富に含む食品~

牛乳やチーズなどの乳製品 ちりめんじゃこやイワシなどの小魚

 

  • 禁煙・禁酒

たばこに含まれるニコチンや一酸化炭素によってあかちゃんは低酸素状態となり、流産や早産、低出生体重児、胎児機能不全、常位胎盤早期剥離などのリスクとなります。あかちゃんが生まれた後も乳幼児突然死症候群や呼吸器疾患、行動・学習障害のリスクが高まる可能性があります。

妊娠中の飲酒により、胎児性アルコール症候群(胎児の発育遅延・顔貌異常・中枢神経障害など)が起こる可能性があります。流産や早産のリスクも増加します。

特に妊娠初期は重要な器官が形成される時期であり、気づかずに飲酒・喫煙してしまうリスクを減らすためにも、早めの対応が大切です。妊娠を計画している段階から、禁煙・禁酒を始めましょう。

 

  • 適度な運動と体重管理

適正な体重はBMIで18.5以上25未満と言われています。

栄養不足による若い女性のやせ(BMI18.5未満)は、貧血や将来の骨粗しょう症の原因になります。また、月経不順により妊娠が難しくなることや、低出生体重児を出産する可能性が高くなります。

栄養過多や太りすぎ(BMI25以上)は、将来、糖尿病や高血圧などさまざまな病気のリスクを高めます。また、早産や妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などの合併症のリスクが高まります。男性の肥満も不妊のリスクを高める報告があり、注意が必要です。

BMI(体格指数):体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

 

  1. 自分の体を知る

  • 月経周期の把握

月経周期とは月経の初日から次の月経の前日までのことを言います。

次回月経の14日±2日前に排卵があると予測できるので、月経周期が決まっていれば妊娠しやすいタイミングを知ることができます。しかし、月経があっても排卵していない場合もあります。基礎体温を測ることで排卵の有無や、卵巣機能が正常か分かります。月経周期が不規則、鎮痛剤が効かないほど月経痛が重い、3ヵ月以上月経がないなどの症状がある場合は、婦人科を受診しましょう。

  • 性感染症に関する知識と予防

性感染症とは、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ、梅毒及び淋菌感染症など、性的接触を介して感染する可能性がある感染症のことです。

性感染症は、治療をしなかった場合、不妊の原因となったり、神経や心臓などに深刻な合併症や後遺障害を残したりすることもあります。母親から赤ちゃんへの感染により、先天性の体の障害の原因となり、放置すると障害が残る可能性もあります。予防には、コンドームの正しい使用が有効です。ピルは避妊のためのもので、飲んでも性感染症の予防はできません。不安に感じたら、保健所や医療機関に相談しましょう。

  1. ワクチン接種と検査

  • 風疹抗体検査と予防接種

妊娠中に風疹にかかると、胎児が先天性風疹症候群(先天性心疾患・難聴・白内障など)になることがあります。妊娠前に同居家族の方も抗体検査・ワクチン接種を済ませましょう。

参考ウェブサイト
【国立研究開発法人 国立成育医療研究センター】プレコンセプションケアセンター

このページの内容に関するお問い合わせ先

健康づくり課 健康増進G

〒318-8511 茨城県高萩市春日町3-10 総合福祉センター1階

電話番号:0293-24-2121

ファクス番号:0293-24-8484

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  • 【更新日】2025年5月22日
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