農・食・住を豊かに育み自然とともに、生きていく
取材:2023年
海あり山あり、自然に恵まれた高萩で農業を
8年ほど前、雑貨のバイヤーを目指して夫婦で脱サラ。語学勉強のために訪れた海外で出会った人たちの自由な生き方に刺激を受け、自分たちの将来を見つめ直した先にあったのが自然とともに生きる農の暮らしでした。
長野県の農家研修などで基礎から懸命に学ぶ日々のなかで魅力を感じたのが、食用ほおずき。
その後、農業をはじめるための土地を探すなかでほおずき生産に力を入れている高萩に出会い、移住を決めました。
雄大な自然に向き合い、生きる、充実の毎日
緑が多く、生態系が豊かというのが最初の印象。家のまわりで野生のリスなどさまざまないきものに会えるとは思ってもみませんでしたね。
自然を相手にする仕事なので、お天気の様子など思うようにいかないこともたくさんあります。でも、自然と一緒に暮らすことを求めてここへやって来たので、大変さ以上に充実感のほうが大きいです。
山間部の環境をいかしてほおずき栽培に挑戦
自然の循環に沿って作物を栽培するオーガニック農業に取り組み、オリジナルブランド「高萩ほおずき」をはじめ年間30~50品目の野菜を育てています。食用ほおずきはまだあまり知られていませんが、味が良くて栄養価も高く、研修時代からずっと興味を持っていました。
現在は12のほ場で3千本のほおずきを栽培し、ジャムや焼き菓子などの加工品もつくっています。頑張った分だけ成果が実感できる暮らしは、やりがいがありますね。
豊かな食と職、まちの未来へつながる活動を
必要なものがなんでも揃う与えられた環境よりも、自分たちの手で土地を切り拓き、食べる幸せをかみしめて暮らしを豊かにしていくのが私たちの目指す生き方。そして、生きていくためには収入源となる「職」が必要です。
空き家をリノベーションして農業体験のできる民泊施設やレストランをつくるなど、新しくつくるのではなく今あるものを活用し、農業を軸にさまざまな職を生み出すことで活性化につなげていきたいです。
プロフィール
氏名:笹川 雄也(ささかわ ゆうや)さんご夫婦
出身地:夫婦ともに福島県いわき市
2017年に高萩市へ移住し、地域おこし協力隊として食用ほおずきのPR活動などに取り組んだ後、本格的に就農。
「結農実WORKS(ゆのみワークス)」を立ち上げ、自然と共存して楽しく生き抜くライフスタイルを実践しながらその魅力を広く提案している。