穂積家住宅

穂積家全景2

穂積家全景1
穂積家西から
穂積家軒

主屋、長屋門、前蔵、衣装蔵、庭園からなる穂積家住宅。
主屋は安永2年(1773年)建立で、寄棟造りに一部入母屋造りを入れ、数段に重ねて葺いた重厚な茅葺屋根を持っています。
また、敷地内の回遊式庭園は約100坪の広さを有し、池には石造りの太鼓橋が架かるなど優雅な日本庭園となっています。
当時の水戸藩の特色の一つである郷士制度の実態を考える上でも、この建造物のもつ歴史的価値は大きく、単に建築様式を知るばかりでなく、地方の歴史を知るための大切な役割を持っています。

広範な経済活動

穂積家は、江戸時代から豪農の家柄として地域経済に大きな役割を担い、その活動は農業のほか、酒造業や林業、金融業、製糸業などにも及びました。酒造業では、明治4年に1,000石を醸造、銘酒「松乃月」を誕生させて一躍有名となり、製糸業では、蒸気機関と100人の従業員を使って隆盛を極めました。

茨城県指定文化財(建第67号)の概要

●指定日 平成元年1月25日
●名 称 穂積家住宅(高萩市上手綱2337番地の1)
●内 容 主屋(平面積:317.660m2)
     長屋門・前蔵・衣裳蔵・敷地(4172.71m2)
     附屋敷絵図屏風1隻

主屋(おもや)

サンプル画像桁行12間半、梁間6間の建物を中心に、南西部に曲がり部を突出させ、西端にも突出部をつくっています。北面には、後の改修で付け加えられた下屋が貼り出しており、背面の衣裳蔵とは渡り廊下でつながっています。屋根の形状は、正面側に小さな妻を作って入母屋造としているほかは寄棟造となっています。また、軒付けは数段重ねで葺かれており、この屋根の造りは「五段茅葺中竹節揃角市松模様寄棟造」と呼ばれています。

サンプル画像1

板の間と梁

サンプル画像2

東側廊下

サンプル画像3

座敷

サンプル画像4

庭園

長屋門(ながやもん)

サンプル画像現在のものは「穂積家屋敷絵図屏風」に描かれた旧状とは異なり、昭和初期の改修でもともと平屋根だったものに2階部を乗せるなど、数回の改築が行われています。
門の分類では長屋門に含まれる形式となっていますが、城郭に見られる楼門のような外観は類例が少なく、貴重な建物となっています。

前蔵(まえくら)

サンプル画像嘉永2年(1849年)に建築された切妻造、2階建ての土蔵です。大きさは桁行4間、梁間3間で、屋根は漆喰を塗り固めた上に合掌を置き桟瓦葺の屋根を乗せる置屋根形式になっています。
また、美しいなまこ壁が時代的な特徴を良く表しています。

衣裳蔵(いしょうぐら)

サンプル画像大正4年に造られた切妻造の土蔵です。主屋の背面から渡り廊下でつながっており、いわゆる内蔵となっています。大きさは桁行3間半、梁間2間半の2階建てで、1階に衣裳棚、2階には、10畳間を設けた床の間もあり、衣裳替えのほか接客の使用もできるようになっています。

庭園(ていえん)

サンプル画像江戸時代に作られたもので、屋敷の北を流れている関根川から水を引いています。中央西は石造りの太鼓橋、その先には石灯籠を配し、日本庭園の景観を作っています。

屋敷絵図屏風

サンプル画像和紙に比較的薄い彩色で、江戸時代末期の屋敷全景が鳥瞰的に描かれています(137cm×218cm)。主屋については、ほぼ現在の形となっていますが、長屋門は増築前の形状を残し、また、庭園に接した二階建ての書院や主屋わきの水車や酒蔵など、今では見られない建物や構造物を見ることができます。

穂積家のアルバムから

サンプル画像屋根葺替時の様子(昭和7年)

玄関の戸が格子状であること、玄関腰壁が鼠漆喰(漆喰に灰墨を混ぜたもの)になっていることなど、現況とは異なる箇所がいくつか見えます。

サンプル画像庭園と書院(大正期)

長屋門後方に建てられていた書院は、大正期から昭和初期頃に一度改築されましたが、昭和30年に撤去されました。

穂積家の保存と活用

穂積家は、茅葺屋根の主屋や池を配した日本庭園など、古き佇まいを今に伝える特徴ある景観をもっており、映画やテレビのロケ地として利用されています。これまで、NHK連続テレビ小説「らんまん」、TBSテレビ「ニンゲン観察バラエティモニタリング」、茨城県制作「県北高校フシギ部の事件ノート」などのロケに使用されました。
また、令和4年度には、茅葺屋根の葺替工事を行い、劣化した茅や破損した部材の交換を行いました。屋根の修理には、茅葺職人の技が随所に用いられました。

 

見学・開館時間など

開館時間

 9時00分~16時00分

休館日

 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日)
 年末年始…12月29日から1月4日
※このほか、教育委員会が定めた日

イベント情報

開催予定イベント

 

令和7年終了したイベント

 イベント:つるしびなと小物たち
 期  間:令和7年2月23日(日)から3月3日(月)まで
 主 催 者:さくらの会

【イベント風景】

r7.2.25 吊るしびな (1)r7.2.25 吊るしびな (2)r7.2.25 吊るしびな (3)

臨時休館

 機器点検や工事等により臨時休館となる場合があります。

入館料等

 無料

ただし、主屋等を占用し撮影等を行う場合は使用料が発生します。
(使用料は穂積家住宅の設置及び管理に関する条例に基づき算定)

占用について

 主屋等を占用し撮影等を行うことができます。その際には使用料が発生いたします。

 【占用の手続き】

  (1) 下記関連ファイルより所定の申請書をダウンロードし、必要事項を記入し、生涯学習課に提出してください。

  (2) 生涯学習課から、占用許可(却下)する書類及び使用料の納付書を交付します。

  (3) 占用日までに使用料を納付してください。

※ 詳細は、「高萩市穂積家住宅の設置及び管理に関する条例」第6条及び第8条に定められています。

このページの内容に関するお問い合わせ先

生涯学習課 生涯学習G

〒318-8511 茨城県高萩市本町1-100-1 高萩市役所 2階

電話番号:0293-23-1132

ファクス番号:0293-23-1126

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  • 【ID】P-40
  • 【更新日】2025年3月4日
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