特定建築物等の定期報告とは
デパート、ホテル、病院など不特定多数の人が利用する特殊建築物などは、老朽化や設備不備などがあると、大きな事故や災害につながる恐れがあります。事故を未然に防ぐため、定期的に検査を行い建築物の安全、避難施設の適切な維持保全、建築物の安全性を確保するために、調査・検査し報告していただく制度です。
※平成28年6月から定期報告制度が変わりました
建築基準法の一部を改正する法律(平成26年法律第54号)により、平成28年6月から新定期報告制度が始まりました。
建築物や昇降機などは定期的に維持管理状況を市に報告する義務があります。(法第12条)
改正法についての詳細は、「日本建築防災協会」のホームページを参照してください。
建築物の定期調査報告の義務の対象が変わりました。
建築基準法の改正により、新たに調査が必要な建築物が加わりました。
報告が必要な建築物の概要、報告年度は以下のとおりです。
用途 | 規模(下記の各項いずれかに該当する場合) | ||
---|---|---|---|
市規則要件規模 | 新たに法律で定められた規模 | ||
1 |
劇場・映画館又は演芸場 |
|
客席が200m2以上 |
2 | 観覧場(屋外観覧場は除く)、公会堂又は集会場 |
|
客席が200m2以上 |
3 | 病院又は診療所(患者の収容施設があるものに限る) |
|
2階が300m2以上 |
4 | ホテル又は旅館 |
|
2階が300m2以上 |
5 | 自動福祉施設等で、保育園、認定こども園、障がい者支援施設等の通所施設 |
|
|
5’ | 児童福祉施設等で、養護老人ホーム、助産施設、乳児院及び障がい児入所施設など高齢者、障がい者の就寝を伴う施設 |
|
2階が300m2以上 |
6 | 学校又は体育館 |
|
|
7 | 博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場 |
|
|
8 | 百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店又は物品販売業を営む店舗 |
|
2階が300m2以上 |
9 |
事務所その他これらに類するもの(階数が5以上で延床面積が1,000m2を超えるものに限る) |
|
|
10 | 共同住宅、寄宿舎で高齢者、障がい者等の就寝の用に供するもの(サービス付高齢者向け住宅、グループホームなど) |
ー |
|
注1:この表において「地階又は3階以上の階にある」とは、地階又は3階以上の階でその用途に供する部分の床面積が100m2を超えるものをいう。
注2:1の項から10の項までの複数の用途に供する建築物にあっては、それぞれの用途に供する部分の床面積の合計をもって、その用途に供する部分の床面積の合計とする。
注3:複合用途の建築物については、上記に該当する部分がある場合には、建築物全体が報告対象となります。ただし、それぞれに階段があり、防火区画の壁で区画されているなど、安全上支障がない場合には、該当部分以外の報告を除外できる場合がありますのでご相談ください。
用途 | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和1年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 劇場・映画館又は演芸場 | ○ | ○ | ● | ○ | |||||
2 | 観覧場(屋外観覧場は除く)、公会堂又は集会場 | ○ | ○ | ● | ○ | |||||
3 | 病院又は診療所(患者の収容施設があるものに限る) | ○ | ○ | ○ | ● | |||||
4 | ホテル又は旅館 | ○ | ● | ○ | ○ | |||||
5 | 自動福祉施設等で、保育園、認定こども園、障がい者支援施設等の通所施設 | ○ | ○ | ● | ○ | |||||
5’ | 児童福祉施設等で、養護老人ホーム、助産施設、乳児院及び障がい児入所施設など高齢者、障がい者の就寝を伴う施設 | ○ | ● | ○ | ||||||
6 | 学校又は体育館 | ● | ○ | ○ | ||||||
7 | 博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場又はスポーツの練習場 | ● | ○ | ○ | ||||||
8 | 百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店、飲食店又は物品販売業を営む店舗 | ○ | ● | ○ | ||||||
9 | 事務所その他これらに類するもの | ● | ○ | ○ | ||||||
10 | 共同住宅、寄宿舎で高齢者、障がい者等の就寝の用に供するもの(サービス付高齢者向け住宅、グループホームなど) | ● | ○ | ○ |
凡例○:報告対象年度(●:3年ごとの報告開始年度)
随時閉鎖式防火設備(火災時に煙や熱で感知して閉まる防火扉や防火シャッター)の検査が義務付けされました。
これまで、建築物の一部として検査されていた防火設備のうち、火災時に閉まる随時閉鎖式の防火扉や防火シャッターなどについては1年に一度、防火設備検査員、一級建築士等の専門家による検査が必要になりました。
詳細については以下を参照ください。
検査が必要な防火設備
下表建築物に設置されている防火設備(防火扉、防火シャッターなどが対象となる。常時閉鎖式の防火設備、外壁開口部の防火設備、防火ダンパーは除く)
※「(1)に該当する用途と規模の建築物」とは、定期報告が義務付けられた建築物を指します。
報告の期限と間隔
平成31年5月31日までに、検査を行い、報告書を提出してください。その後、1年に一度の検査報告が必要となります。
小荷物専用昇降機の検査が義務付けされました。
小荷物専用昇降機のうち、出入口の高さが床面から50cm未満のフロアタイプのものは、1年に一度の検査が必要になります。初回の調査報告は平成31年5月31日までに提出してください。その後、1年に一度の検査報告が必要となります。
調査・検査の資格者制度が変わりました。
定期報告の義務付け対象の建築物などは、資格を有する方が調査・検査することとなっております。法改正により、平成28年6月1日以降については、調査対象に応じて下記の法定の資格者が調査・検査を行う必要があります。
旧資格者である「特殊建築物等調査資格者」「昇降機検査資格者」「建築設備検査資格者」といった資格をお持ちの方が引き続き資格を維持するためには、新たな資格者証の交付を国土交通省から受ける必要があります。