熱中症は、高温多湿な環境で、体温調整機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもってしまうことで生じます。
特に梅雨明けなど、急に暑くなる時季は体が暑さに慣れていないため、熱中症やその疑いによる救急搬送者数が増加しています。いつでもどなたも条件次第で熱中症になる危険がありますので、正しい知識を身につけ、体調の変化に気をつけながら、この夏を乗り越えましょう。
熱中症予防のポイント
暑さを避けましょう
- エアコンの設定温度や扇風機を利用して、部屋の温度を調節しましょう。
- 遮光カーテン、すだれ、打ち水で、環境を整えましょう。
- 暑い日・時間帯の外出は避け、活動は無理のない範囲で行いましょう。
- 涼しい服装を心がけ、外出時は日傘や帽子を活用しましょう。
- 急に暑くなった日には、特に注意しましょう。
- 熱中症は、その日の体調が影響します。
前の晩に深酒をしたり、朝食を抜くなどの状態で暑い環境に行くのは避けましょう。 - 少しでも体調に異変を感じたら、涼しい場所に移動し、水分を補給しましょう。
「暑さ指数(WBGT)」を活用
「暑さ指数(WBGT)」とは、気温・湿度・放射熱を基に算出した指数です。
同じ気温でも、温度が高ければ熱中症になりやすくなります。
気温だけでなく、暑さ指数予測を活用して熱中症を予防しましょう。
暑さ指数予測は、下記の環境省ホームページからご覧ください。
【環境省】熱中症予防情報サイト「暑さ指数(WBGT)の実況と予測」
熱中症の警戒情報に注意
「熱中症警戒アラート」は、熱中症の危険性が極めて高くなると予想される日の前日午後5時頃、
または当日朝5時頃の1日2回、気象庁と環境省から発表されます。
「熱中症特別警戒アラート」は、令和6年度から運用が開始され、気温が特に著しく高くなり、
熱中症による重大な健康被害が生ずるおそれがある場合に、環境省から発表されます。
警戒情報は、下記の環境省ホームページからご覧ください。
【環境省】「熱中症予防情報サイト」
なお、「熱中症特別警戒アラート」は、過去に例のない危険な暑さが予測されますので、
危険な暑さから避難するための場所として、市内施設等に「クーリングシェルター」が開設されます。
【高萩市指定】「クーリングシェルター」※開設調整中
こまめに水分補給をしましょう
- のどが渇く前に、こまめに水分補給しましょう。
- 大量に汗をかいたときは、スポーツドリンクや塩あめなどで水分とともに塩分も補給しましょう。
日頃から健康管理をしましょう
- 日頃から体温測定や健康チェックをしましょう。
- 体調が悪いと感じたときは、無理せず自宅で静養しましょう。
暑さに備えた体づくりをしましょう
- 暑くなり始めた時期から、適度に運動をしましょう。
- 水分補給を忘れずに、無理のない範囲で行いましょう。
- 「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で毎日30分程度行い、体が暑さに慣れるようにしましょう。
下記の人は特に注意!
- 小さなお子さん
- 汗腺をはじめとした体温調節機能が十分に発達していないため、気温が皮膚温よりも高くなったときに深部体温が上昇し、熱中症を起こしやすくなります。
- 身長の低いお子さんは、地表面からの熱の影響を受けやすく、大人よりも熱中症になりやすいので、特別な注意が必要です。
- 高齢者
- 暑さを感じにくく、体温調節機能も低下し、暑さに対する抵抗力が少なくなっているので、注意が必要です。
- のどの渇きを強く感じないため、水分不足になりがちで、気づかないうちに熱中症を発症している場合があります。熱中症にならないためには、のどが渇いていなくても、こまめに水分を補給しましょう。
- 持病のある人・熱中症になったことがある人
- 糖尿病、高血圧症、心疾患、腎不全、精神神経系の疾患、広範囲の皮膚疾患で治療を受けている人は、熱中症を発生しやすいとされています。また、以前熱中症になったことのある人も特に注意しましょう。
- 体調の悪い人
- 寝不足や疲れがたまって体調が悪いときや、二日酔いや下痢で体内の水分が減っているときには、体温を調節する身体の仕組みが普段通りに働かないため、熱中症を起こす危険性が高くなります。
- 肥満や運動不足、暑さに慣れていない人
- 皮下脂肪が多いと、身体の中の熱を逃がしにくくなり、また、重い身体を動かすため、より多くの熱が発生するため、危険性が高くなります。また、体力や持久力の低い人も暑さに弱いため、注意が必要です。
こんな症状があったら、熱中症を疑いましょう
熱中症の症状と重症度
重症度 | 主な症状 | 処置 |
軽度 | ・めまい、失神 ・筋肉痛、筋肉の硬直 ・大量の発汗 |
現場での応急処置が可能 |
中等症 | ・頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐 ・力が入らない ・体がぐったりする(熱疲労・熱疲弊) |
病院への搬送が必要 |
重症 | ・意識がなくなる ・けいれん ・歩けない ・刺激(呼びかけ)への反応がおかしい ・高体温(熱射病) |
入院・集中治療が必要 |
熱中症になったときの応急処置
もし、あなたの周りの人が熱中症を発症した場合には、落ち着いて周りの状況を確かめて、下記のとおり対処しましょう。
最初の処置が肝心です。
意識がある・反応が正常な場合
- 涼しい場所へ避難させる
(風通しのいい日陰、クーラーの効いた室内 など) - 衣服を脱がせ、体を冷やす
※体に水をかけたり、ぬれタオルをあてて扇ぐことも効果的です。 - 水分・塩分を補給する
(スポーツドリンク・塩飴 など)
ただし、水を自力で飲めない、または症状が改善しない場合は、直ちに救急車を呼びましょう。
意識がない・反応がおかしいとき
- 救急車を呼ぶ
- 涼しい場所へ避難させる
(風通しのいい日陰、クーラーの効いた室内 など) - 衣類を脱がせ、体を冷やす
※体に水をかけたり、ぬれタオルをあてて扇ぐことも効果的です。 - 医療機関に搬送する
倒れたときの状況が分かる人が医療機関に同行しましょう。
関連リンク
- 環境省「熱中症予防情報サイト」:熱中症警戒アラート情報
- 気象庁「熱中症から身を守るために」:天気予報、気温の見通し
- 厚生労働省「熱中症関連情報」:普及啓発用資材(リーフレット、ガイドラインなど)、報道発表
- 消防庁「熱中症情報」:救急搬送状況