償却資産に対する課税

「事業」を行っている方(法人・個人)へ 

償却資産を所有している方(法人及び個人)は、毎年1月1日現在において所有している償却資産の状況を資産が所在する市町村へ申告することになっています(地方税法第383条・固定資産の申告)。

令和6年度(令和6年1月1日現在)分の申告期限は、令和6年1月31日(水曜日)ですので、早めの申告をお願いいたします。

※お持ちになられている資産の評価額(課税標準額)が150万円未満になる場合でも、償却資産がある方は申告義務がありますのでご注意ください。

※関係書類のダウンロードをされる場合は、お手数ですが一番下までスクロールしてください。

 

償却資産とは

固定資産税における償却資産とは、土地や家屋以外の事業の用に供することができる資産で、法人税法または所得税法の所得の計算上、減価償却の対象となる資産のことをいいます。

なお、所有者が自らの事業のために使用する場合だけでなく、事業として他人に貸付ける場合も含まれます。

※「事業」とは、一般に一定の目的の行為を継続、反復して行うことをいい、必ずしも営利又は収益そのものを得ることを直接の目的とすることを必要とはしません。

また、「事業の用に供する」とは、現在事業の用に供しているものはもとより、遊休、未稼動のものも含まれますが、いわゆる貯蔵品とみられるものは棚卸資産に該当するので、償却資産には含まれません。

 

1. 償却資産の種類と主な具体例

資産の種類 対象となる主な償却資産の例示
第1種 構築物 構築物 広告塔、門、塀、煙突、外灯、緑化施設、舗装路面(駐車場等)、外構工事 等

建物附属設備

受変電設備、予備電源設備、テナント内装・造作・建築設備 等

第2種

機械及び装置

製造機械設備、工作設備、印刷機械、搬送設備(クレーン、コンベヤー等)、
ボイラー、モーター、ポンプ類の汎用機械、太陽光発電設備 等

第3種 船 舶 ボート、漁船、釣船、貨客船 等
第4種 航空機 飛行機、ヘリコプター、グライダー 等
第5種

車両及び運搬具

大型特殊自動車(分類番号が「0,00から09及び000から099」、
「9,90から99及び900から999」の車両、構内運搬車、台車 等)

第6種

工具、器具及び備品

測定工具、切削器具、机・椅子、ロッカー、応接セット、パソコン、コピー機、テレビ、冷蔵庫、
ルームエアコン、陳列ケース、レジスター、自動販売機、看板、ネオンサイン、医療用機器 等

 

2.償却資産の申告

償却資産の所有者は、毎年1月1日(賦課期日)現在の償却資産の状況を原則として、1月31日までに高萩市長あてに申告する必要があります。
ただし、次の資産については対象外となります。

  1. 自動車税・軽自動車税の課税対象となるもの
    (例:小型フォークリフト等)
  2. 無形固定資産
    (例:特許権、営業権、ソフトウェア等)
  3. 商品、貯蔵品
  4. 生物
    (ただし、観賞用・興行用のものをのぞく)
  5. 書画骨董
    (複製品等減価償却しているものをのぞく)
  6. 所有権移転リースとして貸し出す資産のうち、平成20年4月1日以降に取得された取得価額が20万円未満の資産
  7. 1個(または1組)の取得価額が20万円未満の資産で、法人税または所得税法上3年で一括償却する資産
    (※1 下表参照)
  8. 使用可能期間が1年未満の資産、または1個(1組)の取得価額が10万円未満の償却資産で、税務会計上、一時に損金または必要経費に算入された資産
    (※2 下表参照)

 

取得価額と経理区分による申告の要否

〇…必要、×…不要

取得価額

経理区分   
一般減価償却 中小企業特例 3年一括償却 ※1 一時損金算入 ※2
10万円未満 × ×
10万円以上 20万円未満 ×
20万円以上 30万円未満
30万円以上

 

3. 償却資産の評価

国が定めた基準(固定資産評価基準)に基づいて、個々の資産ごとの取得価格を基礎として、耐用年数に応じた取得後の経過年数による価値の減少を計算して評価します。

  1. 前年中に取得された償却資産
    評価額 = 取得価格 × (1-減価率/2)
  2. 前年より前に取得された償却資産
    評価額 = 前年度の評価額 × (1-減価率)

※減価率とは、原則として耐用年数表(財務省令)に掲げられている耐用年数に応じて定められます。

評価額の計算例

取得価額70万円、取得年月令和5年4月、耐用年数3年(減価率0.536)の資産の場合
(※減価償却は、旧定率法で行います。)

  • 令和6年度
    700,000円 ×(1‐0.536×1/2)= 512,400円
    ※初年度は、一律に半年償却を行います。
  • 令和7年度
    512,400円 ×(1‐0.536)= 237,753円
  • 令和8年度
    237,753円 ×(1‐0.536)= 110,317円
  • 令和9年度
    110,317円 ×(1‐0.536)= 51,187円
  • 令和10年度
    51,187円 ×(1‐0.536)= 23,750円 < 35,000円

令和10年度で算出額が取得価額の5%(35,000円)より小さくなりますので、それ以降事業の用に供される間は35,000円で評価されます。

上記により一品ごとの評価額を算出し合計したものが決定価格になります。
課税標準の特例の適用がない場合は、決定価格がそのまま課税標準額となります。

 

4. 課税標準額

賦課期日における全資産の評価額の合計が課税標準額となります。
なお、課税標準の特例が適用される場合には、その資産の評価額に特例率を乗じて課税標準額を計算します。

課税標準の特例

地方税法第349条の3、同法附則第15条等に定める一定の要件を備えた償却資産については、課税標準の特例が適用され、税負担の軽減が図られています。

 

5. 税額の計算方法

課税標準額 × 税率(1.4%)= 税額

 

6. 国税(法人税、所得税)と固定資産税の比較

項目 国税(法人税、所得税) 地方税(固定資産税)
償却計算の基準日 事業年度(決算期日) 賦課期日(1月1日)
減価償却の方法

建物以外は定率法・定額法の選択

※定率法を選択した場合、平成19年3月31日以前に取得した資産については旧定率法を適用

定率法のみ

※法人税法等の旧定率法で用いる減価率と同様

前年度中の新規取得資産 月割償却 半年償却(2分の1)
圧縮記帳 認められます 認められません
特別償却・割増償却
(租税特別措置法)
認められます 認められません
評価額の最低限度額 備忘価額 1円 取得評価の5%
改良費
(資本的支出)

区分評価(一部合算可)

※平成19年3月31日以前に取得した資産については合算評価

区分評価

(改良を加えられた費用と改良費を区分して評価)

所有権移転外リース取引の資産 原則、賃借人が減価償却 所有者(賃貸人)に課税

 

先端設備等導入計画に係る固定資産税の課税標準の特例について

中小企業等経営強化法により、中小企業等が新規で取得する先端設備等導入計画に記載のある先端設備等が特例の対象となります。

※特例を受けるためには、事前に先端設備等導入計画に認定を受ける必要があります。
   中小企業等経営強化法による支援の詳細については、中小企業庁のホームページをご参照ください。 
   先端設備等導入計画については、産業建設部 観光商工課のホームページをご参照ください。

 

提出書類

(1) 平成30年6月6日 から 令和5年3月31日取得分(旧地方税法附則第64条)

  1. 固定資産税(償却資産)の課税標準の特例適用申請書
  2. 先端設備等導入計画に係る認定書の写し
  3. 先端設備等導入計画に係る認定申請書の写し
  4. 工業会等による仕様等証明書の写し

(2) 令和5年4月1日以降取得分(地方税法附則第15条第45項)

  1. 固定資産税(償却資産)の課税標準の特例適用申請書
  2. 先端設備等導入計画に係る認定書の写し
  3. 先端設備等導入計画に係る認定申請書の写し
  4. 認定経営革新等支援機関による事前確認書の写し
  5. 認定経営革新等支援機関が発行する投資計画に関する確認書の写し
  6. 従業員へ賃上げ方針を表明したことを証する書面の写し
    (賃上げ目標を盛り込んだ先端設備導入計画の認定を受けている場合)

【(1)・(2)共通】リース会社が軽減措置を受ける場合に必要な追加資料

  • リース契約書の写し
  • 公益社団法人リース事業協会が確認した固定資産税軽減計算書の写し

 

償却資産Q&A

よくお問い合わせいただく質問と、その回答を紹介しています。

  • 【ID】P-4000
  • 【更新日】2024年1月11日
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