ご報告に入ります前に、議員各位には日頃より市政の進展にご尽力いただいておりますことに対し、心から感謝を申し上げる次第でございます。
また、医療の最前線で新型コロナウイルス感染症に立ち向かう医療従事者の皆様をはじめ、私たちの生活を支えるため、事業を継続された皆様、そして、ボランティアへの御参加や不要不急の外出、事業活動の自粛など、様々な御協力をいただきました市民の皆様、事業者の皆様、さらに衛生用品等を御寄贈していただきました皆様に対し、敬意を表し、深く感謝を申し上げます。
なお、医療従事者の方々への感謝を表すため、市庁舎東側階段部分を青い光で照らすライト・イット・ブルーを実施しております。この取り組みにより、市民の皆様の気持ちがつながり、メッセージが広がっていくことを願っております。
それでは、令和2年第2回高萩市議会定例会を開催するにあたり、施政の経過と現況についてご報告申し上げます。
初めに、新型コロナウイルス感染症に係る本市の対応状況等について申し上げます。
国においては、3月26日、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく新型コロナウイルス感染症対策本部を設置、都市部を中心に感染者が急増し、医療提供体制が逼迫しつつあることなどを踏まえ、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼす恐れがあるとして、4月7日に7都府県を対象とした緊急事態宣言を発出しました。さらに4月16日には、緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大し、茨城県は感染防止対策の取組を重点的に進める「特定警戒都道府県」の一つに指定されました。
こうした国の措置を受け、茨城県においても「新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態措置」を決定、4月18日以降は通勤通学も含めた外出自粛、「3つの密」が重なりやすい施設に対する休業及びイベントの開催自粛の協力を要請するなど、感染拡大防止を図ってきたところです。
本市におきましては、2月3日に「新型コロナウイルス感染症警戒体制本部」を設置、2月26日にはこれを「新型コロナウイルス感染症対策本部」へ移行し、体制の強化を図りました。4月中旬には日立保健所管内で感染者が確認されるなど、日々刻々と変わる状況を、本市では迅速かつ的確に把握するよう努め、市ホームページやSNS、市報お知らせ版臨時号などにより、市民や事業者の皆様へ情報提供を行ってまいりました。
また、国や県の対応を踏まえ、4月13日から5月26日まで小中学校や幼稚園を臨時休業とし、公共施設についても5月31日まで休館を行うとともに、市民や事業者の皆様に協力を求め、市内全域で、人と人との接触機会をできる限り減らす取り組みを実施したところであります。
次に、新型コロナウイルス感染症対策として行いました、入手困難となったマスクや消毒液の支援について申し上げます。本市では、まず地域医療体制の崩壊を防ぐため、優先的に医療現場へ、次に感染拡大の防止を図るため、感染リスクが高い介護関係施設や社会福祉施設へ、さらに保育園や幼稚園、学校、児童クラブ等の計100施設を対象に配布を行うなど、計画的に進めてまいりました。
また、健やかな妊娠期を過ごし、安心して出産を迎えていただけるよう妊婦の方98名、75歳以上で介護保険サービスを受けていない一人暮らしの方882名へ、それぞれ一人当たり15枚のマスクを郵送により配布するとともに、小中学生を対象に学校再開に向け、給食センター職員において臨時休業期間に手作りしたマスク2,000枚の配布を行いました。
以上、3月2日から現在に至るまで、マスク約53,200枚、消毒液約1,400リットルを配布したところであります。
次に、緊急事態宣言解消後における、市民の皆様の新しい生活様式を支援するため、5月21日より4日間、市民や事業者を対象に、市内3か所において合計5,220リットルの次亜塩素酸水消毒液を配布いたしました。また、6月3日以降につきましては、総合福祉センターにおきまして、セルフサービスにより配布を行っているところです。
(経済対策)
次に、本市の緊急経済対策について申し上げます。
市内事業者の方々におかれましては、緊急事態宣言による自粛要請も重なり、さまざまな業種において、かつてない厳しい経営環境に置かれているところであります。そのような状況を鑑み、本市独自の中小企業・個人事業主等への支援といたしまして、売上が減少している当面の事業継続に必要な資金を助成するため「たかはぎ小規模企業者・個人事業主応援補助金」を新設いたしました。売上に20%以上の減少が見込まれる場合、事業所にかかる家賃等や新たな販売方法の導入経費、新型コロナウイルス感染防止のための備品・消耗品等の購入経費を対象として1事業所あたり最大30万円の補助を行っているところであります。6月10日現在、92件、23,430,661円の交付決定を行っているところです。
また、融資を受けることが困難な事業者等への支援といたしまして、本市と茨城県において協調貸付を実施することとし、5月21日に茨城県と協定を締結いたしました。売上が50%以上減少している事業者等に対し、県と市が200万円を無利子無担保で貸し付けを行うものであります。
更に、中小企業者や個人事業主等の支援制度である持続化給付金や雇用調整助成金などの申請サポートといたしまして、茨城県行政書士会からのご協力により、予約制の相談窓口を開設いたしました。6月11日から7月30日までの毎週木曜日、行政書士及び社会保険労務士2名が申請支援を行っております。
次にふるさと高萩応援事業についてであります。
この事業は、進学のために市外に居住している学生等と市内事業者を支援するため、高萩産の米や野菜、市内商業者の加工品などの地元産品を「ふるさと高萩からの応援箱」として学生の皆様へお届けするもので、5月27日より観光協会ホームページにて募集を開始しております。6月10日現在、99件の応募があり順次発送を行っております。
(特別定額給付金)
次に、特別定額給付金につきましては、5月1日からオンライン申請の受付を開始し、5月15日には全受給権者に対し申請書類を郵送いたしました。6月10日現在、
12,190世帯、全体の95.7%に給付を行っているところです。
今般、茨城県においては、5月7日に「緊急事態措置等の強化・緩和に関する判断指標」が示され、5月14日に緊急事態宣言が解除されました。6月8日にはコロナ対策指針のステージは1に緩和されました。
今後も市民の皆様や事業者の皆様、一人ひとりの取組みが、日常生活の中で「新しい生活様式」を心がけていただくことで、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症の拡大を防ぐことができ、ご自身や大切な人を守ることにつながりますので、引き続き、感染拡大防止にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
次に、本市の最上位計画である「第6次高萩市総合計画」及び、地方創生の指針である「第2期高萩市創生総合戦略」の策定につきましては、現在、市民アンケートの調査結果を踏まえ、これまでの各施策を検証し、両計画の策定を進めているところです。
次に、一般廃棄物処理施設整備についてであります。
北茨城市と広域的に進めている一般廃棄物処理施設整備につきましては、高萩・北茨城広域事務組合において、プラントの建設工事契約を3月27日に締結しました。10月からの本格的な建設工事に向け、現在は造成工事を進めているところであります。
引き続き、北茨城市、高萩・北茨城広域事務組合と連携し令和4年度末の竣工に向け着実に整備を進めてまいります。
続きまして、3つの柱ごとの主な施策について申し上げます。
はじめに、1つ目の柱『誘致事業』についてであります。
中心市街地活性化への取り組みにつきましては、高萩駅西口駅前広場再整備条件検討調査の結果を踏まえ、引き続き先進事例の研究や、アドバイザーを招いた勉強会開催の準備を進めております。
次に、2つ目の柱『交流事業』についてであります。
(交流事業)
高萩アウトドアフィールド「はぎビレッジ」につきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月1日から閉鎖しておりましたが、本県のコロナ対策指針がステージ1に移行したことから、6月8日より再開したところであります。
(観光関係)
観光関係につきましては、新型コロナウイルス感染の拡大防止のため、例年4月に開催をしておりました「たかはぎ桜まつり」を中止いたしました。夏の事業であります、「高萩まつり」及び「海水浴場」につきましても、本年は安全・安心な開催等は困難であると判断し、中止を決定したところであります。
(スポーツ交流)
次に、スポーツ交流についてであります。
新型コロナウイルス感染症の影響により、8月に開催が予定されていた全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の中止が全国高等学校体育連盟より発表され、本市で開催を予定しておりましたウエイトリフティング競技につきましても中止となりました。
また、6月に開催予定でありました第73回珂北高等学校野球大会につきましても中止としたところであります。
選手の皆様にはまことに残念な結果となりましたが、試練の一つとして乗り越えてほしいと思っております。
次に、3つ目の柱『支援事業』についてであります。
(子育て支援)
子育て環境の整備につきましては、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない相談・支援を行う「子育て世代包括支援センター すくすく」を本年度より開設いたしました。
「子育て世代包括支援センター すくすく」の事業の一つといたしまして、5月から利用を開始した「母子手帳アプリ」を活用し、妊娠中の健診記録や子どもの成長記録、予防接種のスケジュール管理、市からの育児情報発信など、妊娠・出産・育児期を継続的にサポートしてまいります。
また、妊産婦等が抱える悩みについて、助産師等の専門家による相談支援を行い、家庭や地域での孤立感の解消を図るための「産前・産後サポート事業」を6月から開始いたしました。
幼児健康診査につきましては、新型コロナウイルス感染の拡大防止のため3月から延期としておりますが、対象となるお子さんがいるお宅に保健師や看護師が個別に電話をすることにより、お子さんの心身の状況確認や保護者の不安等について相談に応じております。
本市の子育て支援施設の中心となる公立認定こども園施設整備につきましては、3月27日に基本設計・実施設計業務委託を締結いたしました。園児一人ひとりが健やかに成長することができる施設の実現を目指し、令和4年4月供用開始に向け事業を進めてまいります。
(教育関係)
次に教育関係についてであります。
市内小中学校につきましては、新型コロナウイルス感染症の予防、拡大防止のために臨時休業の措置をとっておりましたが、5月27日より分散登校を開始し、6月8日からは通常授業を再開いたしました。休業期間中におきましては、子どもたちの学習を支援するため、学習プリントの工夫・充実に努め、授業動画やEライブラリーを活用した家庭学習を行ったところです。
このたびの長期休業による子どもたちの不安を軽減し、学校が子どもたちにとって心の居場所となるよう、教職員がスクールカウンセラーや心の教室相談員、適応指導教室指導員等と連携し、子どもたちの悩みや不安を把握し、解消することで、信頼関係の構築に努めてまいります。
(文化財関係)
次に、文化財保護行政についてであります。
長久保赤水顕彰につきましては、本年3月19日に国の文化審議会から文部科学大臣へ行われた答申により、郷土の偉人長久保赤水の遺した資料が、7月に国の重要文化財に指定される予定であります。
今回、重要文化財に指定されるのは、地図・絵図類84点、文書・記録類279点、典籍類274点、書画・器物類56点の合計693点で、「赤水の学問の内容、交友関係、生涯の事績を考えるうえで最もまとまった資料群で、江戸時代中後期の文化史、地図史等の研究に学術的価値が高い」との評価を受けております。
これらの資料は、赤水の子孫の方々が代々大切に受け継いできたものや、郷土史家の皆様が収集してきたもので、すべて市に寄贈されております。
今後は、資料の整理と調査を進め、歴史民俗資料館で展示を行うなど、市内外の皆様に長久保赤水の偉業を伝えるとともに、より一層の顕彰を行ってまいりたいと考えております。
(男女共同参画)
男女共同参画につきましては、令和3年度を初年度とした「第3次高萩市男女共同参画プラン」を策定するため、5月22日に委託契約を締結いたしました。男女共同参画についての市民アンケート調査結果や「第2次高萩市男女共同参画プラン」の検証を踏まえ、プランの策定を進めてまいります。
(高齢者介護)
高齢者の支援につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために外出を控えたことで、「フレイル」と呼ばれる虚弱状態になることが危惧されることから、高齢者の閉じこもり対策として、市ホームページに茨城県立健康プラザが作成したシルバーリハビリ体操動画を掲載するとともに、日本老年医学会が作成したチラシを全戸配布いたしました。
また、特に見守りの必要な在宅の一人暮らし高齢者等に対して、生活状況を継続的に把握して適切な支援につなげるために、在宅介護支援センター職員が、電話や玄関先での面接等、接触を減らす形での見守り活動を実施いたしました。
(防災・減災対策)
次に防災・減災対策についてであります。
東日本大震災の発生から9年目を迎えた3月11日にシェイクアウト訓練を、たかはぎFM及び防災行政無線を活用して実施いたしました。広く市民へ放送することにより地震災害に関するリスクや地震発生時における安全確保行動に関する理解促進が図られたものと考えております。
また、大規模自然災害から市民の生命と財産を守る施策となる「高萩市国土強靭化地域計画」を策定するため、5月 27日に委託契約を締結いたしました。ソフト対策とハード対策の組み合わせにより効果的な計画を策定し災害に強いまちづくりに努めてまいります。
(空家対策)
次に空家対策についてであります。
市内の空家のうち、近隣住民や通行者に危険が及ぶことが想定される「特定空家」1棟につきまして、安全を確保するため、条例に基づく緊急安全措置として、4月28日に危険防止ネットを設置いたしました。
引き続き当該空家所有者に対して、建物の適正管理を指導してまいります。
(道路関係)
次に、道路関係についてであります。
緊急輸送道路や通学路などに指定されている路線の道路改良や交通安全施設の整備を進めるとともに、「高萩市 舗装修繕計画」に基づき、路面の修繕を計画的に実施し、継続して効率的・効果的な道路管理に努めているところでございます。
現在、今年度実施する工事の早期発注に向け、準備を進めております。
市道212号線道路改良事業につきましては、現在、造成工事中である一般廃棄物処理施設の入口予定地から城戸場の交差点までの区間約300mにつきまして、路体築造工事を進めております。
地方創生整備推進交付金の道の整備事業を活用した観光周遊ルートの整備につきましては、国より内示額が示されましたので、交付決定次第、今年度計画しております林道小山線及び市道104号線の整備を進めてまいります。
また、都市計画道路3・4・1号安良川下手綱線につきましては、6月10日に不動産鑑定業務委託契約を締結し、建物等補償調査業務委託の発注準備を進めているところです。
(農業の振興)
次に農業の振興についてであります。
農業の活性化や耕作放棄地の解消等を目的に、茨城県と協同で進めてまいりました、県北園芸団地整備事業「下手綱・赤浜地区」において、株式会社なめがたしろはとファームが、約5haの甘藷(さつまいも)の作付けを開始したところであります。
水田農業対策につきましては、令和2年産米の農業者への生産数量目標に相当する数値を対前年比0.3%減の
55.0%と設定し、米の需給調整達成に向けた新規需要米の生産拡大を図るとともに、各農家からの営農計画書に基づき、各種交付金の申請手続きを行っております。
(交通安全対策)
次に、交通安全の取組みについてであります。
4月6日からの春の全国交通安全運動期間中、各種関係団体及び関係機関の協力を得て、各小学校区の通学路及び交差点等において立哨指導を実施し、交通安全を呼びかけました。
(地球温暖化対策)
次に、地球温暖化対策としましては、5月21日からアサガオ等つる性植物の種の無料配布を行い「緑のカーテン」設置を呼びかけるとともに、「もらワンちゃん緑のカーテンコンテスト」の参加者を広く募集しております。
(消防)
次に、消防関係につきましては、4月17日に一般社団法人茨城県建設業協会高萩支部と「災害時における消防活動の協力に関する協定」を締結いたしました。この協定締結により、市からの要請に基づき、重機等の資機材や人員のご協力を受け、消火活動に支障となる焼き堆積物等の除去や、救助活動に支障となる障害物等の除去などのご協力が得られることは、消防活動にとって、大変心強いものであります。
緊急消防援助隊の登録車両である消防ポンプ自動車の更新につきましては、圧縮空気泡消火装置を搭載する非常に高い消火能力を有する車両の取得に関する議案を今定例会にご提案させていただいております。
耐震性防火貯水槽につきましては、秋山地区の設計業務委託を5月22日に契約締結いたしました。また、総合福祉センター、松岡小学校の2か所の工事請負を5月27日にそれぞれ契約締結し年内完成に向け事業を進めております。
(税務)
次に、税務関係についてであります。
令和元年度の市税徴収率につきましては、5月末日に出納整理期間が終了し、現在その数値を精査中でありますが、10年連続で前年度(徴収率98.7%、県内順位2位)を上回る見込みであります。
引き続き、国・県との連携を強化し、課税の適正化と徴収率の向上に努め、税収の確保を図ってまいります。
(国民健康保険事業関係等)
国民健康保険事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から傷病手当金を創設いたしました。被保険者のうち被用者の皆様が新型コロナウイルス感染症に感染した場合、または感染の疑いがある場合に会社等を休みやすい環境を整備するとともに、療養中の生活を保障してまいります。
また、人間ドック・脳ドック健診費用の補助につきましては、後期高齢者医療事業の人間ドック定員を今年度20人増やし、5月8日から29日まで申請受付を行いました。ホームページ等での申請書の入手や郵送による申請を可能とするなど、新型コロナウイルス感染防止に努め、国民健康保険 286件、後期高齢医療152件を受け付けいたしました。
(霊園事業)
高萩霊園内に整備した合葬式墓地につきましては、4月6日より使用受付を開始し、5月末現在164体分の使用許可をすることにより、市民の墓地承継に関する不安や問題の解消を図りました。
(水道事業)
次に、水道事業についてであります。
水道事業につきましては、「高萩市水道ビジョン」に基づき、配水管布設替工事の発注準備を進めております。
また、石岡導水ポンプ場の動力設備更新工事実施設計業務委託契約を5月18日に締結いたしました。年度内竣工を目指し工事の発注準備を進めております。
(昨年10月の台風・豪雨関係)
昨年10月の台風等により被災した、市道105号線ほか4路線の災害復旧工事につきましては、早期完成に向け工事を進めているところであります。
以上、主な施政の経過と現況について申し上げましたが、行政運営につきましては、引き続き効率的かつ効果的な事務事業の執行に努めてまいる所存であります。
議員各位には、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、施政経過報告といたします。