ご報告に入ります前に、議員各位には日頃より市政の進展にご尽力いただいておりますことに対し、心から感謝を申し上げます。
初めに、本年7月25日に新庄市において豪雨の影響によりお亡くなりになられた方のご冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、ご遺族並びに被災者の皆様に対しまして、心からお見舞いを申し上げます。
一刻も早い復旧、復興を願っております。
それでは、令和6年第3回高萩市議会定例会の開会にあたり、施政の経過と現況について、第6次総合計画に掲げた6つの基本政策ごとに、ご報告申し上げます。
初めに、安心を支える『保健・医療・福祉』についてであります。
(健康増進)
後期高齢者健康診査事業につきましては、7月16日に健診未受診者の行動変容を促す手法であるナッジ理論を用いた受診勧奨通知を対象者2,227名に発送いたしました。
この通知により、8月末現在の健診受診率は16.5%、対前年比2.9%の増となっております。
今後も後期高齢者健診の行動変容を促す手法を取り入れた周知等により、更なる受診率向上を図ってまいります。
(子育て支援)
子育て支援につきましては、令和7年度から令和11年度を計画期間とした「高萩市こども計画」を策定するにあたり、子育て世帯の保護者からは、保育園利用に関するニーズや子育ての悩み等を、小中学生等からは日頃の学校生活や家庭の様子、悩み事等を確認するためのアンケート調査を実施いたしました。
今後につきましては、アンケート調査の結果や萩っ子・子育て会議委員のご意見を賜りながら、策定を進めてまいります。
(認知症普及啓発事業)
認知症普及啓発事業につきましては、認知症の人やその家族、地域の人で結成されたボランティア団体「チームオレンジ」の活動として、総合福祉センター内の花壇に認知症のシンボルカラーであるオレンジ色の花の植栽を行い、認知症に対する正しい理解や地域で支える体制の普及啓発に努めたところであります。
また、9月は、「認知症月間」であることから、本庁舎に認知症啓発のための懸垂幕を掲示するとともに、オレンジ色のライトアップを実施しております。
なお、9月14日には、認知症に関する特別映画上映会を予定しており、引き続き地域で支える認知症施策を推進してまいります。
(高齢者福祉)
高齢者の保健事業と介護予防等の一体的実施事業につきましては、健診や医療受診等の利用がない健康状態不明者へのアンケートを実施し、生活機能低下のリスクが高い対象者及び回答の無かった方には、6月から個別訪問を行い、高齢者の健康増進及び介護予防の推進に努めております。
次に、たくましさを育む『教育・文化』についてであります。
(教育関係)
通学路の安全対策につきましては、高萩市通学路交通安全プログラムに基づく合同点検を8月7日に実施し、各学校等から要望のあった危険箇所29箇所について、小中学校や高萩警察署、高萩工事事務所等の市内関係機関と現地を確認いたしました。 今後、危険箇所の対策を講じ、引き続き児童生徒が安全に通学できるよう努めてまいります。
学校施設の整備につきましては、熱中症対策などの教育環境の向上及び災害時の避難所としての防災機能の強化を図るため、学校体育館に空調設備の整備を計画的に進めております。
高萩中学校及び秋山中学校の2校の設置工事が8月に完了し、夏休み明けの2学期から本格的に運用を開始したところであります。
学校再編につきましては、8月22日に第2回目となる高萩市立義務教育学校施設整備基本構想・基本計画策定委員会を開催し、本市が目指す義務教育学校の施設像などについて、検討を行ったところであります。
学校教育につきましては、6月25日に秋山幼稚園、7月1日にたかはぎ認定こども園の訪問指導を実施し、園経営や保育などに対する具体的な指導・助言を通して、幼児教育の質的向上に努めました。
また、8月1日には、若手教員の授業力向上を図るために、指導主事や教科等指導員を助言者として、授業力向上研修会を実施いたしました。
民間スポーツクラブと連携した水泳学習につきましては、5月から7月までの3か月で、幼児教育施設では延べ154名、小学校では延べ1,818名、中学校では延べ456名が参加し、インストラクターによる専門的な指導を通して、体力及び泳力の向上を図りました。
ミュージック・アウトリーチ派遣事業につきましては、7月23日~25日の3日間、つくば市の「つくば市民ホールくきざき」において実施いたしました。小学生3名が参加し、外国人キャストとともに英語のミュージカルを作り上げ、最終日の舞台公演を通して、英語に関する興味関心、基礎的な英語力、コミュニケーション能力の向上を図ることができました。
イングリッシュキャンプ派遣事業につきましては、8月4日、5日の2日間にわたり、福島県天栄村の「ブリティッシュヒルズ」において実施いたしました。中学生11名が参加し、外国人講師によるオールイングリッシュの研修を通して、基礎的な英語力の向上を図るとともに、英語に対する興味関心を高め、英語の必要性について再認識する機会となりました。
広島平和学習派遣事業につきましては、8月6日、7日の2日間にわたり実施いたしました。小・中学生19名が参加し、広島平和記念資料館や原爆ドームなどの訪問や、被爆体験者の話を直接聞くなど、平和の尊さについて学習する機会となりました。
(生涯学習)
生涯学習活動につきましては、7月20日、21日の2日間にわたり、高萩スカウトフィールドにおいて小学生を対象とした野外活動学習「サマージャンボリー」を、8月8日には、自然を学ぶ探検講座「花貫の自然を探る」を実施いたしました。参加した児童は市内の豊かな自然に触れながら他校の児童との交流を深めました。
(スポーツ振興)
令和6年度全国小学生ウエイトリフティング交流大会並びに全国中学生ウエイトリフティング選手権大会につきましては、7月13日から15日までの3日間、高萩市文化会館において開催され、北海道から沖縄まで全国各地から156名の選手が参加し、10個の中学新記録が樹立されるなど、盛会のうちに終了いたしました。
飯能市スポーツ少年団交流事業につきましては、7月20日にサンスポーツランド高萩において開催し、少年サッカーによる兜争奪戦が行われ、両市の児童による交流が深まりました。
日本ビーチバレーボール連盟公式大会サテライト高萩大会につきましては、8月3日、4日の2日間にわたり、高戸前浜海岸特設コートにおいて盛大に開催されました。
全国から男子ペアと女子ペア各16組のJBV登録選手が集結し、ハイレベルな試合が展開されました。
日本有数の美しさを誇る本市の白い砂浜で、若手アスリートたちの熱戦が繰り広げられ、多くの観客に観戦していただきました。
第52回高萩市長杯争奪軟式野球大会につきましては、19チームが参加し、8月25日から高萩市民球場をメイン会場として熱戦が繰り広げられております。
(市民文化)
子ども文化教室1日体験講座につきましては、6月22日に総合福祉センターにおいて5年ぶりに開催されました。当日は49名の子ども達が参加し、書道、華道、琴、組みひも、フラダンスなどを体験し、文化に対する関心や理解を深めました。
文化会館事業につきましては、市制施行70周年記念事業として、7月28日に宝くじ文化公演コンサートを、8月11日には夏休み子ども映画会を開催し、いずれも子どもから大人まで多くの方々にご来場いただき楽しんでいただきました。
歴史民俗資料館につきましては、「長久保赤水記念館」愛称追加記念事業といたしまして、7月23日より幼児から大学生を対象に、市内の文化財4箇所を巡るスタンプラリーを実施しております。
また、朗読劇や企画展を計画しており、多くの方にご来館いただけるよう、今後も長久保赤水の更なる顕彰に努めてまいります。
次に、元気を引き出す『経済・産業』についてであります。
(農林業)
水田農業対策につきましては、国の経営所得安定対策に基づき、水田等の現地調査を実施中でありますが、8月末現在において、主食用米の作付面積は需給調整に係る生産数量の目安である作付率の上限52.1%に対して40.1%となっており、達成の見込であります。
有害鳥獣対策につきましては、8月末現在のイノシシの捕獲頭数は43頭となっております。前年同時期の24頭と比較しますと、79%増加しており、豚熱の影響は依然としてあるものの、個体数は増加に転じているものと考えております。
林業振興につきましては、民有林などの効果的かつ安定的な林業経営を図るため、森林環境譲与税を活用した森林経営管理制度に基づく森林所有者意向調査の実施に向けた準備を進めております。
地籍調査事業につきましては、引き続き中戸川[2]地区の現地調査を実施しております。
(観光)
第52回高萩まつりにつきましては、7月27日に実施いたしました。昨年と同様に神輿や山車の響演を行うとともに、友好都市である飯能市の皆さまにもお越しいただきました。
本市の市制施行70周年を記念し、飯能市郷土芸能保存会の皆さまによる「お囃子」をご披露いただくなど、おまつりに花を添えていただき、約30,000人の方々にご来場いただき、大盛況のうちに開催できました。
海水浴場につきましては、駐車場や常設のトイレ、シャワーなどの利便性等を考慮し、有明海岸から高戸前浜海岸へ開設場所を移し、7月27日から8月18日までの23日間開設いたしました。
また、新たなアクティビティとして茨城県内初となる水上アスレチックの導入のほか、「超(スーパー)砂場ランド」や「キッズエリア」等も設置し、子どもから大人まで楽しめる新たな高萩海水浴場として運営した結果、県内外の家族連れなど、前年の3倍増となる約11,000人の方々にご来場いただきました。
次に、快適を見守る『生活環境』についてであります。
(交通安全)
交通安全対策につきましては、7月15日から24日まで10日間にわたる「夏の交通事故防止県民運動」期間中である7月19日に、ハローワーク高萩前交差点において、高萩警察署、関係団体の協力を得て、ドライバーや歩行者などに啓発物品を配布して交通安全の啓発を行いました。
引き続き、広く市民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣づけ、交通事故防止の徹底を図ってまいります。
また、本年4月から創設いたしました自転車乗車用ヘルメット購入費用の一部補助制度につきましては、8月末現在、57件、額にしまして113,598円を交付しております。
今後も引き続き、キャンペーン活動等を通じて着用率の向上に努めてまいります。
(消防)
消防関係につきましては、夏に多発する水の事故に備え、水難救助訓練や潜水訓練を行うとともに、海水浴場の開設期間中は海岸を巡回し、訪れた方々の水難事故防止に努めたところであります。
消防用ドローンにつきましては、7月末に納入され、飛行訓練を重ねたうえで、9月1日より運用を開始いたしました。
これにより上空からの情報収集活動や要救助者の検索・救助活動、資器材の搬送や投下が可能となり、災害対応力の飛躍的な向上が期待されます。
消防団につきましては、9月29日に開催される第75回茨城県消防ポンプ操法大会県北地区大会において、ポンプ車の部に上手綱地区第14分団、小型ポンプの部に若栗地区第16分団が出場いたします。
猛暑の中、厳しい訓練を行い、高萩市消防団員が一丸となって大会に臨み、上位入賞を目指すとともに、更なる消防技術の向上や士気の高揚を図ってまいります。
消防広域化につきましては、令和6年7月1日に高萩・北茨城消防広域化協議会を設置し、これまで2回の協議会が開催され、広域化の方式及びスケジュール等について協議したところであります。
(防災・減災対策)
総合防災訓練につきましては、自主防災組織、市民の皆様、市の職員を合わせ219名の参加のもと、6月30日に実施いたしました。
今回の訓練では、台風の影響による関根川の氾濫及び土砂災害が予想される状況を想定し、早期の避難行動に対する意識啓発と、災害時における避難の実効性を確保することで人的被害の軽減を図ることを目的として実施いたしました。
また、併せて社会福祉施設の参加のもと、福祉避難所である総合福祉センターへの避難訓練を実施し、避難行動要支援者への介助手順の確認もしました。今後も引き続き、防災技能の向上と防災意識の高揚を図ってまいります。
次に、便利さを生み出す『社会基盤』についてであります。
(中心市街地)
中心市街地活性化施策につきましては、高萩駅を中心とした中心市街地におけるまちづくりの方向性を示すための「高萩駅周辺地区再整備基本構想」の策定に向け、8月22日に「高萩駅周辺地区再整備検討ワークショップ」を開催しました。
ワークショップでは、茨城大学大学院理工学研究科の熊澤貴之教授をファシリテーターとして招聘し、これまで「まちづくり勉強会」に出席いただいていた地元商店会や高校生会に加え、まちづくり団体や各学校のPTAなどにも参加いただき、駅周辺地区の今後のあり方について多くの御意見等をいただきました。
(道路・河川)
観光周遊ルートの整備として進めております道路改良工事につきましては、高萩スカウトフィールド北側から市道105号線までの区間における市道104号線及び高萩カントリークラブ東側の市道213号線において、年度内完成を目指し改良工事を進めております。
また、東小学校西側の通学路であります、市道1318号線、市道1408号線の歩道整備設計業務委託につきましては、8月1日に委託契約を締結したところであります。
都市計画道路3・4・1号安良川下手綱線につきましては、未取得用地の土地所有者との交渉を進めるとともに、道路新設工事に着手しており、工事区間の年度内完成を目指し、事業の推進に努めているところであります。
河川関係につきましては、準用河川玉川における河川改修計画の策定業務委託契約を7月10日に締結し、現地調査に着手しているところであります。
(公共交通)
公共交通施策につきましては、茨城交通株式会社において国の共創モデル実証運行事業を活用し、本年10月から来年の1月までの間「My Ride のるる」の運行時間を一部延長する実証運行を行います。
本市におきましても、交通を地域のくらしと一体として捉え、地域の多様な関係者の「共創」を目的に同社が実施主体として構成する「共創プラットフォーム」に参画しております。
今回の実証運行により「My Ride のるる」を更に進化させ、併せて定時定路線バスやデマンド型乗合タクシーなど、それぞれが持つ特徴を活かし、交通事業者と連携しながら、持続可能な公共交通ネットワークの構築を図ってまいります。
(水道関係)
水道事業につきましては、北茨城市中郷町日棚地内の関口浄水場へ水を送る導水管布設替工事を7月に契約締結し、令和7年1月の完成に向けて工事を進めております。
次に、底力を高める『地域経営』についてであります。
(市政経営)
公共施設等の整備・利活用につきましては、「高萩市公共施設等管理計画」の改訂作業を進めるため、8月21日に高萩市公共施設管理計画策定委員会へ計画策定についての諮問を行いました。
今後につきましては、公共施設の適正化を進めるための方向性を定めるほか、昨年度に内閣府の支援を受け策定した「PPP/PFI手法導入優先的検討規程」に基づき、従来的な手法に加え、民間活力を取り入れたPPP/PFIの導入を推進し、公共施設等の魅力向上や適正な管理運営に努めてまいります。
ふるさと納税の推進につきましては、本年5月に、JR東日本水戸支社において実施した「高萩駅訓練体験会」をふるさと納税の返礼品として提供し、県外及び市外の方から応募いただきました。
今後も、物産品などの返礼品に加え、体験型の返礼品も拡充するなど、魅力ある返礼品の開拓を進め、納税推進の強化を図ってまいります。
また、ふるさと納税と併せ、企業版ふるさと納税やクラウドファンディングを一体的に推進し、引き続き自主財源の確保に努めてまいります。
(男女共同参画)
男女共同参画の推進につきましては、9月1日に予定しておりました女性活躍推進事業「“キラリ”と輝く人材応援セミナー」は、台風10号の影響により中止といたしました。
改めて日程を調整し、多様な働き方や地域で活躍する女性を講師に迎え、家事や育児に関する講話を開催いたします。
今後も多様な生き方を認め合い、誰もが自分らしく輝ける街を推進してまいります。
以上、主な施政の経過と現況について申し上げましたが、行政運営につきましては、引き続き効率的かつ効果的な事務事業の執行に努めてまいる所存であります。
議員各位には、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、施政経過報告といたします。