ご報告に入ります前に、議員各位には日頃より市政の進展にご尽力いただいておりますことに対し、心から感謝を申し上げる次第でございます。
初めに、4月19日夕方に有明町で発生した住宅火災により、お亡くなりになられた方の御冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に心から御見舞いを申し上げます。
また、新型コロナウイルス感染防止のため、引き続き、医療の最前線で対応いただいている医療従事者の皆様はもとより、感染防止対策に、ご協力いただいております市民の皆様、事業者の皆様に対しまして、心から感謝申し上げます。
それでは、令和3年第2回高萩市議会定例会の開会にあたり、施政の経過と現況についてご報告申し上げます。
初めに、新型コロナウイルス感染症に係る本市の状況等について申し上げます。
4月上旬以降、新型コロナウイルス感染症の「第4波」が全国各地に拡大しております。その最大の要因として、感染力が極めて高く、重症化するリスクの高い変異株の蔓延が挙げられます。
国においては、新型コロナウイルス感染症に係る「緊急事態宣言」の10都道府県への発令や「まん延防止等重点措置」を一部の地域において実施するなどの取り組みを進めていますが、なおも全国的に予断を許さない状況が続いております。
そのような中、茨城県においては4月25日に「茨城版コロナNext」をステージ2からステージ3に移行し、警戒レベルを引き上げているところです。また、直近1週間の人口1万人当たりの新規陽性者数が1.5人以上の市町村を「感染拡大市町村」として指定を再び開始するとともに、国に「まん延防止等重点措置」の適用を要請している状況です。
なお、県では県内飲食店の感染対策等の見回り調査を実施し、本市においては5月25日に県及び市職員で編成した10班体制で104店舗の調査を実施いたしました。
本市の感染症患者発生状況につきましては、4月が4人、5月が2人となっております。市民の皆様や事業者の皆様方におかれましては、引き続き、感染症対策に取り組んでいただきますよう、改めてお願い申し上げます。
次に、新型コロナウイルスに係るワクチン接種について申し上げます。
ワクチン接種券の郵送につきましては、予約の集中を緩和するため、4月13日以降、年齢の高い方から順に段階的に行い、5月末現在で72歳以上の6,933人の方に送付を終えております。なお、6月中には65歳以上のすべての方に送付を終える予定です。
ワクチン接種の予約につきましては、コールセンターへの電話又はインターネット専用サイトで受け付けており、現在のところ大きな混乱もなく進んでおります。
ワクチン接種につきましては、医師会のご協力のもと、市内医療機関における個別接種を5月10日から、総合福祉センターにおける集団接種を5月13日から開始いたしました。接種開始前の4月15日には、医療従事者、救急救命士及び市職員によるシミュレーションを行い、全体の流れや課題を確認したうえで体制を整え、接種に臨んだところであります。
現在、個別接種・集団接種ともに計画的に進んでおり、65歳以上の高齢者につきましては、7月末の終了を目途に取り組んでおります。5月末で4,071人の方が1回目の接種を受け、そのうち129人が2回目の接種を終えております。今後も国からのワクチン供給や接種の状況を踏まえ、順次、接種券の発送を行うとともに、市民の皆様が安心してワクチン接種を円滑に受けられるよう、引き続き総力をあげて取り組んでまいります。
今定例会では、新型コロナウイルス感染症対策に係る感染防止対策や事業者支援等経費として補正予算をご提案いたしております。これは新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した事業であり、国の令和2年度第3次補正予算分として配分された1億8,182万9千円のうち、7,671万5千円を原資とするものでございます。
また、事業者支援といたしまして、昨年に引き続き、経営基盤に大きな打撃を受けているバス事業者、タクシー事業者を対象とした交通事業者運行継続支援金に係る事業費、総額600万円を計上しております。
次に、地域公共交通施策について申し上げます。
新たな取り組みである「ダイナミック・ルーティング・システム実証実験」につきましては、第一段階として、利用対象を向洋台団地の住民とし、7月の運行開始に向けた準備を進めております。この運行開始の時期に合わせ、65歳以上を対象とした路線バス運賃の半額助成や、高校生・大学生への通学定期券購入への助成も開始する予定であります。
次に、高萩・北茨城広域事務組合において進めている一般廃棄物処理施設整備につきましては、現在、本体建物の基礎工事に着手したところであります。引き続き、北茨城市、高萩・北茨城広域事務組合と連携し、整備を進めてまいります。
続きまして、3つの柱ごとの主な施策について申し上げます。
はじめに、1つ目の柱『誘致事業』についてであります。
観光への誘客につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により減少した来客数の回復及びインバウンド観光の促進を図るため、SNSを活用した情報発信や観光資源の魅力を創出する観光プロモーション業務について、公募型プロポーザルにより委託業者を選定し、6月1日に契約を締結したところであります。
次に、2つ目の柱『交流事業』についてであります。
たかはぎ桜まつりにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年は中止といたしましたが、本年は感染防止対策を講じたうえで4月1日から11日まで開催し、約1万人の方のご来場をいただきました。
また、茨城県との共催により4月10日に実施した「花貫ダムの点検放流」を、新たな観光資源と捉えて一般に公開し、県内外から訪れた多くの方に、ダムの機能と役割について広報・周知をいたしました。
なお、夏の事業である「高萩まつり」及び「海水浴場」につきましては、新型コロナウイルス感染拡大状況を踏まえ、関係団体等の意見を集約し、市民の皆様方の命と健康を守ることを最優先に考慮して、開催を断念いたしました。昨年に引き続き開催を見送ることとなりますが、ご理解を賜りますようお願いいたします。
(スポーツ交流)
第74回珂北高等学校野球大会につきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため無観客試合といたしました。大会期間は6月1日から6日までの予定で、高萩市民球場と高萩清松高等学校にて開催しております。
次に、3つ目の柱『支援事業』についてであります。
高萩まちづくり支援金につきましては、地域支援事業に3団体、イベント支援事業に5団体、重点分野事業に2団体からの応募があり、全ての事業を採択いたしました。引き続き、本市のまちづくり団体の支援を行い、自主的・自発的な活動を促すことで、地域の活性化を図ってまいります。
(定住・移住促進)
定住・移住促進につきましては、「高萩市創生奨学金返還支援補助金」及び本年度の新規事業であります、住宅の取得やリフォーム費用を支援する「たかはぎ住マイル支援補助金」の申請を5月10日から受付を開始いたしました。これらの支援を通して、定住人口の増加や若者・子育て世代の定住化の促進、住宅環境の改善を図ってまいります。
(地域医療対策)
地域医療体制の確保につきましては、長年継続的に小児科医師の確保について県へ要望書を提出してきたところです。本年4月から高萩協同病院で小児科診療の再開が実現されたことにより、高萩協同病院で出産から子育て期と途切れることなく支援できる体制が整いました。引き続き、子育て支援及び地域医療の充実に努めてまいります。
(子育て支援)
本市の子育て支援施設の中心となる高萩市認定こども園施設整備につきましては、本年第1回定例会において契約締結に係るご議決を賜り、工事に着手いたしました。また、幼保連携型認定こども園への移行を円滑に進めるため、幼稚園、保育所及び関係課の職員により構成したワーキンググループを組織し、移行準備やこども園運営に関する事項を具体的に協議するなど、令和4年4月の供用開始に向けハード、ソフトの両面で事業を進めております。引き続き、未来を担う子ども達のために、より快適で安全・安心な子育て環境を整え、良質な幼児教育・保育環境の提供に努めてまいります。
(教育関係)
国のGIGAスクール構想に基づくICT教育環境整備につきましては、小・中学校において児童生徒用のタブレット端末や大型インフォメーションディスプレイなどの整備が完了し、授業における活用を進めております。今後は、臨時休業等の緊急時においても全ての子ども達の学びを保証できる教育環境を整備するため、学校と教育委員会がより連携し、ICTの運用方法を調査研究してまいります。
また、1人1台タブレットの導入に伴い、児童生徒を対象に、情報活用に関する正しい知識や判断力を身に付けるための情報モラル教育を進めてまいります。
(生涯学習)
公民館活動につきましては、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底したうえで、5月1日から今年度の講座を開設いたしました。引き続き、市民のニーズに応じた、より参加のしやすい講座を企画してまいります。
図書館につきましては、トイレ改修工事が5月17日に完了し、より衛生的で明るく清潔感のあるトイレをご利用いただけるようになりました。
長久保赤水関係資料の修理につきましては、4月に文化財の修理を専門とする業者と契約を締結し、赤水の代表作である「改正日本輿地路程全図」や「改製日本分里図」などの資料5点の修理作業を開始したところであります。
また、昨年から進めてまいりました、地域ブランディング委託事業により制作した映像が完成したことから、5月22日に文化会館におきまして、「その先を往け!日本地図の先駆者 長久保赤水」の上映会を開催いたしました。新型コロナウイルス感染防止対策のため、出演者などによるトークショーを急遽取りやめる中での開催ではありましたが、多くの方にご来場いただき、大変好評を得たところです。なお、人数制限により今回の上映会にお出でいただけなかった県民の方々を対象として、6月19日に再度上映会を開催する予定でございます。
(介護予防)
高齢者の介護予防・重度化防止として、大変好評を得ております水中介護予防教室につきましては、年間開催回数を3回に増やし、市内スポーツクラブで5月20日から開始しております。教室の開催にあたっては、感染防止対策の徹底を図りながら進めてまいります。
(地球温暖化対策)
地球温暖化対策につきましては、5月20日からアサガオ等つる性植物の種の無料配布を行い「緑のカーテン」設置を呼びかけるとともに、「もらワンちゃん緑のカーテンコンテスト」の参加者を9月末まで募集しております。多くの市民の皆様のご参加をお願いいたします。
(防災対策)
地域防災の要である自主防災組織につきましては、5月24日に「高萩市自主防災組織連絡協議会」を開催し、22団体22名に参加をいただきました。協議会では、各組織の活動報告を受けるとともに、本市が整備した防災行政無線や河川監視カメラ、国土強靭化地域計画、法律の改正による避難情報の一本化などを含めて説明を行いました。また、2級河川花貫川及び関根川の防災対策について、河川管理者である茨城県高萩工事事務所と意見交換し、洪水災害への備えについて知見を深めました。
(道路関係)
市道212号線道路改良工事につきましては、令和3年度末の完成に向け、工業団地内の市道1013号線から一般廃棄物処理施設入口までの区間約600mの工事を進めております。
地方創生整備推進交付金を活用した観光周遊ルートの整備につきましては、市道104号線道路改良事業の路線測量が完了し、設計業務を実施しているところです。
都市計画道路3・4・1号安良川下手綱線につきましては、道路整備に向けた用地取得のため、地権者との交渉を進めております。
(農業の振興)
水田農業対策につきましては、令和3年産米の農業者への生産数量目標に相当する数値を前年比0.5%増の54.5%と設定し、米の需給調整達成に向けた飼料用米等の生産拡大を図るとともに、各農家からの営農計画書に基づき、各種交付金の申請手続きを行っております。
(交通安全・防犯対策)
春の全国交通安全運動につきましては、各種関係団体及び関係機関の協力を得て、4月6日から15日までの期間、各小学校区の通学路及び交差点等において立哨指導や街頭キャンペーンを実施し、交通安全運動への協力を呼びかけました。また、市内幼稚園及び小学校において、新入生を対象とした交通安全教室を実施し、幼児・児童などに基本的なルールやマナーを身に付けさせるなど、交通事故防止に努めております。
防犯につきましては、高萩地区防犯協会及び高萩警察署と連携し、春の地域安全運動として、4月26日に地域安全キャンペーンを市内大型スーパーで実施するなど、防犯意識の高揚に努めております。
(狂犬病予防)
狂犬病予防対策につきましては、4月の土曜日・日曜日の4日間、茨城県獣医師会のご協力のもと、市内37か所において集合注射を実施したところであります。
(消防)
住宅用火災警報器につきましては、4月に実施した設置状況調査において、条例に適合した設置が52.4%、一部設置が8.2%、未設置が39.4%でありました。今後も市民への広報活動やイベント等での啓発活動を更に強化し、設置率向上に努めてまいります。
また、救急自動車の更新につきましては、車両安全装置を搭載した車両の取得に関する議案を、今定例会にご提案させていただいております。
(税務)
令和2年度の市税徴収率につきましては、5月末日に出納整理期間が終了し、現在その数値を精査中であります。引き続き、国・県との連携を強化し、課税の適正化と徴収率の維持に努め、税収の確保を図ってまいります。
(国民健康保険事業等)
国民健康保険事業につきましては、新型コロナウイルス感染症により、経済的な影響を受けている被保険者の負担軽減も考慮し、令和3年度国民健康保険税の税率の引き下げを行いました。
また、人間ドック・脳ドック健診費用の補助につきましては、後期高齢者医療事業の人間ドック定員を今年度20人増やし、5月10日から20日まで、国民健康保険318件、後期高齢者医療166件を受け付けいたしました。昨年度に引き続き、ホームページ等での申請書の入手や郵送による申請を可能とするなどの新型コロナウイルス感染防止に努めたところです。
(水道事業)
水道事業につきましては、上手綱地区の配水管布設替工事1箇所、関口浄水場の動力設備更新工事の契約を締結いたしました。年度内竣工に向けて工事を進めてまいります。
以上、主な施政の経過と現況について申し上げましたが、行政運営につきましては、引き続き効率的かつ効果的な事務事業の執行に努めてまいる所存であります。
議員各位には、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、施政経過報告といたします。