ご報告に入ります前に、議員各位には日頃より市政の進展にご尽力いただいておりますことに対し、心から感謝を申し上げます。
はじめに、9月8日の台風13号の豪雨により被災された皆様に、心からお見舞い申しあげます。
まず、台風13号の豪雨による被害状況についてであります。
家屋の被害といたしましては、床上浸水が180棟、床下浸水が350棟、その他の被害といたしましては、道路が230箇所、河川が9河川、農道や水路、堰などの農業用施設が197箇所、農地が71箇所、松岡小学校校舎及び体育館の床上浸水、文化会館の浸水等となっております。
次に、被災者への支援についてであります。
災害廃棄物につきましては、発災直後の9月9日から、高北清掃センター及び旧リサイクルセンターに仮置き場を開設し、災害ごみの受け入れを開始しました。また、災害ごみの運搬が困難な方には、個別回収で対応いたしました。
浸水家屋の消毒につきましては、浸水地域の巡回や個別対応により床下等の消毒を実施いたしました。
また、災害ボランティアセンターにつきましては、9月9日から10月1日までの23日間開設し、県内外から多くのボランティアが駆け付け、被災者支援の活動をしてくださいました。
災害救助法における応急仮設住宅につきましては、住宅被害が半壊以上の方からの申請受付を9月13日から開始し、11月末日現在、市営住宅に3世帯5人、賃貸型応急住宅に13世帯25人の方が入居されております。
災害救助法における住宅応急修理につきましては、住宅被害が準半壊以上等の世帯からの申請件数116件に対しまして11月末日現在、60件が完了しております。
住家に著しい被害を受けた方への支援であります、国の被災者生活再建支援金につきましては、支給対象となる住家の被害が中規模半壊以上の世帯の方へ申請書等を郵送し、提出いただいた申請書を県へ送付しているところです。
なお、国の被災者生活再建支援金の対象とならない、住家の被害が半壊の世帯の方につきましては、県の補助制度を活用し、「高萩市被災者生活再建支援金」として、20万円を11月末日現在、105世帯の方に支給いたしております。
市の災害見舞金につきましては、11月末日現在、床上浸水の被害を受けた170世帯の方に、床下浸水の被害を受けた141世帯の方に支給いたしました。
また、床上浸水の被害を受けた世帯の方の更なる生活の再建を支援するため、市独自の「高萩市被災者生活応援給付金」一律10万円を、11月30日から順次支給いたしております。
教育関係の支援につきましては、床上浸水の被害を受けた世帯の児童生徒の学校給食費について、令和5年9月から令和6年3月までの7か月分を免除するとともに、学用品に被害を受けた児童生徒に対し学用品を支給いたしました。
税金等の各種減免につきましては、固定資産税・都市計画税、国民健康保険税、後期高齢者医療保険料、介護保険料、水道料金について、住家の被害状況等に応じ減免等を実施しております。
なお、被災者への支援や財政支援等についての要望活動を、茨城県をはじめ、内閣府、総務省、農林水産省、国土交通省等の関係機関へ実施いたしました。引き続き、被災者に寄り添った支援を実施するとともに、災害に強いまちづくりに一層努めてまいります。
それでは、令和5年第4回高萩市議会定例会の開会にあたり、施政の経過と現況について、第6次総合計画に掲げた6つの基本政策ごとに、ご報告申し上げます。
初めに、安心を支える『保健・医療・福祉』についてであります。
(健康づくり推進)
健康づくり事業につきましては、楽しみながら健康づくりについて学ぶ機会を提供するため、10月15日に総合福祉センターにおいて「健康フェスタ」を開催いたしました。高萩協同病院や保健推進員連絡会、食生活改善推進連絡会などの関係団体等と協働し、健康チェックや体力チェック、各種相談などを行いました。また、茨城県精神保健福祉士会の冨田靖英会長による講演会や歯科医師会による口腔がん検診も行い、多くの皆さまに心と体の健康づくりに取り組んでいただきました。
(認知症支援事業)
高齢者福祉事業につきましては、認知症の普及啓発事業として、9月30日に文化会館においてドキュメンタリー映画「ぼけますからよろしくお願いします」の特別上映会及び、認知症家族によるトークライブを開催し、370人の方が来場されました。
また、10月19日と11月16日には、認知症の方やその家族、地域の方がゆったりと楽しい時間を過ごせる居場所となる「オレンジカフェ」の開催、10月20日には、徘徊高齢者の早期発見・保護に備えた「徘徊SOSネットワーク模擬訓練」の実施、11月25日には、松岡中学校の生徒を対象に「認知症サポーター養成講習会」を開催したところであります。引き続き、認知症の有無に関わらず、高齢者を温かく見守り、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができるよう事業を展開してまいります。
(高齢者生活支援事業)
高齢者への物価高騰対策として、1人あたり3,000円のギフト券を支給する「たかはぎシニア生活支援事業」につきましては、10月26日に対象者約10,000人へ発送いたしました。
次に、たくましさを育む『教育・文化』についてであります。
(教育関係)
児童生徒に、より良い学習環境を提供するための学校適正配置計画の策定につきましては、10月23日に今年度3回目となる第7回高萩市立小中学校適正規模・適正配置検討委員会を開催し、実施計画案についての検討等を行いました。
また、令和7年4月から、たかはぎ認定こども園への統合を予定している秋山幼稚園の園児に、新しい環境を体験してもらうとともに、多人数の中で幼児期における社会性を養うことを目的に、たかはぎ認定こども園での交流会を9月14日と12月6日に開催いたしました。
学校教育につきましては、小・中学校5校の訪問指導を実施し、学校経営や授業などに対する具体的な指導・助言を通して、児童生徒の確かな学力の定着に努めているところであります。また、小・中学校の若手教員の授業力向上を図るために、研究授業や研究協議会を13回実施いたしました。さらに、9月から12月にかけて、教科等指導員による学習指導法研修会を3回実施し、教員の授業力向上に努めているところであります。
市内の小学校5年生を対象にした宿泊学習につきましては、自然体験や野外炊飯、テント宿泊などを高萩スカウトフィールドで実施したところであります。1泊2日の宿泊学習を通し、高萩の自然に触れ高萩の魅力を再確認できる機会となりました。
外国人講師によるワークショップで英語のミュージカルショーをつくり、舞台公演を行う教育プログラム「ミュージック・アウトリーチ」への派遣事業につきましては、11月17日から19日の3日間、市内小学生5名を派遣しました。舞台公演での子どもたちの表情からは、大きな満足感や達成感が伝わってきました。
(生涯学習)
高萩スカウトフィールド活用事業実行委員会主催による「親子デイキャンプ」につきましては、10月14日、15日の2日間、高萩スカウトフィールドを会場に開催いたしました。8組21名の親子が参加し、野外炊事や自然に親しむゲームなどの活動を通し、親子の絆を深め、また他の親子とも交流を図りました。参加者からは「小さい子どもでも楽しめる内容でとてもよかった」、「また参加したい」などの声が寄せられました。今後も地域資源である高萩スカウトフィールドの活用の推進を図ってまいります。
中央公民館まつりにつきましては、10月21日、22日の2日間、中央公民館、市民体育館及び文化会館を会場に開催し、各団体が日頃の学びの成果を発表いたしました。また、「図書館まつり」、「歴史民俗資料館勾玉づくり」も同時開催し、子どもから高齢者まで幅広い世代の方々にご参加いただきました。
(スポーツ交流)
部活動地域移行につきましては、11月7日に「高萩市休日部活動地域移行協議会」を開催し、現在試行中の5競技の現状報告及び今後の方向性を議論いたしました。なお、この事業の一環として市内3中学校の軟式野球部で編成された「高萩ベースボールクラブ」は、県北中学校新人体育大会において優勝し、茨城県中学校新人体育大会においても第3位となり輝かしい成績を収めております。
(市民文化)
文化会館事業につきましては、10月12日に幼児を対象としたぬいぐるみミュージカル「ブレーメンのおんがくたい」を開催し、子どもたちの豊かな情操を育みました。
市民音楽祭につきましては、11月23日に文化会館において開催いたしました。20団体が参加し、日頃の練習の成果を存分に発揮されておりました。
歴史民俗資料館につきましては、10月21日から12月10日までの期間「重要文化財 長久保赤水関係資料修理事業」の企画展を開催しております。文化財を未来に繋ぐために、修理が完了した資料の一部を展示するほか、貴重な修理の過程や今後の修理予定について紹介しております。
(友好都市交流)
友好都市交流事業につきましては、11月3日に、飯能市で行われた市制施行70周年記念式典において、友好都市締結20周年記念として記念品の交換を行ってまいりました。また、11月4日には「飯能まつり見学ツアー」に市民37名が参加し、飯能まつりやムーミンバレーパークの見学を行い、友好を深めてまいりました。さらに、11月5日には「飯能まつり観光物産市場」に高萩市のブースを出展し、たかはぎブランド推奨品などの販売やPRを行ってまいりました。
次に、元気を引き出す『経済・産業』についてであります。
(農林業)
水田農業対策につきましては、主食用米から飼料用米等への生産拡大を推進し、主食用米の作付目標面積51.4%に対して実績39.6%となり、米の需給調整を達成いたしました。引き続き、飼料用米等への作付け転換の取り組みを支援し、米の需給調整の推進を図ってまいります。
有害鳥獣対策につきましては、11月末日現在のイノシシ捕獲頭数は74頭となっております。前年同時期と比較しますと、増加しておりますが、豚熱による影響は続いているものと考えております。また、電気柵等の設置費用を補助する「鳥獣被害防止施設整備補助金」につきましては、11月末日現在で9件の申請となっております。引き続き、被害防止に努めるとともに、鳥獣被害対策実施隊と連携し、対策強化に努めてまいります。
生活改善センターにつきましては、緑の郷コミュニティ―センタートイレ等改修工事が10月に完了いたしました。
農業用施設整備事業につきましては、大字高萩西原地区の水路改修工事契約を9月に締結し、令和6年1月完成に向けて工事を 進めております。
林道小山線につきましては、落石対策工事が10月に完了し、改良工事は年度内の完成に向けて工事を進めております。
(観光)
「第42回高萩市産業祭」につきましては、開催日数を1日に短縮し、11月19日に開催いたしました。市内の企業や農業関係者など67団体が出店し、約2万人の方にご来場いただきました。会場では、市内特産物などの展示即売や飲食ブース、キッチンカーなどによる地元の味の提供などが行われ、多くの方々に市産品を堪能していただきました。また、エリアを拡大し茨城県信用組合の駐車場に新たに子どもエリアを設け、各種体験コーナーやエアー遊具を設置し、参加者からは大変好評を得ました。
観光事業につきましては、高戸前浜海岸において、車中泊イベント「遊びクルマPARK」を10月7日から15日まで実施いたしました。このイベントは、海岸を活用した新たな観光コンテンツの造成により、アウトドア事業の魅力や車中泊車両を活用した滞在化・周遊観光の促進を目的に開催し、約1,200人の皆さまにご来場いただきました。天候不順の影響もあり、アクティビティが一部中止となりましたが、メディアなどをとおし、本市海岸部の魅力発信につながったと考えております。今後は、参加いただいた方のご意見等を参考にし、さらなる車中泊事業の検証を進めてまいります。
ライトアップイベント「タカハギ スターナイト」につきましては、10月21日・22日の2日間、さくら宇宙公園において開催し、約2千人の方々にご来場いただきました。観光スポットの新たな魅力の創出や夜の高萩を楽しんでいただく1つのコンテンツになったものと考えております。
花貫渓谷における「紅葉まつり」につきましては、11月1日から30日まで開催し、吊り橋などのライトアップを実施するとともに高萩駅から会場までのシャトルバスの運行や渋滞対策としてパーク&ライドの実証実験を行いました。約60,000人の方々が訪れ、秋の花貫渓谷で楽しんでいただきました。
次に、快適を見守る『生活環境』についてであります。
(地球温暖化対策)
地球温暖化対策事業としましては、もらワンちゃん緑のカーテンコンテスト表彰式を11月17日に実施し、応募者12名のうち入賞者5名に対し賞状及び記念品を贈呈いたしました。引き続き、気軽にできる地球温暖化対策として緑のカーテンの設置を推進してまいります。
(交通安全・防犯)
交通安全対策につきましては、9月21日から30日までの秋の全国交通安全運動期間において、各種関係団体等と連携し、通学路の立哨や夕暮れ時における6号拠点立哨を実施しました。
防犯意識の啓発につきましては、10月11日から20日までの全国地域安全運動期間に合わせ、市内大型スーパーにおいて、高萩警察署を始め、市内の防犯関係団体9団体にご参加いただき、合同で街頭キャンペーンを行いました。引き続き、市民の防犯意識の高揚を図り、高萩警察署や防犯協会等と連携し、ニセ電話詐欺等の被害防止に取り組んでまいります。
(消防)
秋季全国火災予防運動期間中の11月10日には、聖徳保育園の保育士 田中智美さんを一日消防長に任命し、火災予防の啓発活動を行い、市民の皆様や事業所等への火災予防意識の高揚を促し、関係団体との連携強化に努めました。
消防団活動につきましては、11月5日に小型消防ポンプを使った「火災防ぎょ訓練」を実施し、団員の消火技術の向上、各分団の連携強化、安全管理の徹底を図りました。
(防災)
子どもたちへの防災教育につきましては、11月17日に松岡小学校において、4年生を対象に人型ロボット「ペッパー」を活用した防災授業を県の協力のもと開催いたしました。授業では、地震や津波災害が発生した際に取るべき行動や基礎的な防災について学び、必要な知識を身につけるとともに、防災意識の高揚を図ったところであります。
市の防災アプリにつきましては、10月20日に、高萩高校、高萩清松高校の学校防災会議において、インストール方法や操作方法について説明を行いました。また、11月の産業祭においては、インストールのサポートなどを行い、53名の方に防災アプリをダウンロードしていただくなど、平常時・災害時ともに活用していただけるよう普及促進を図りました。
次に、便利さを生み出す『社会基盤』についてであります。
(中心市街地)
中心市街地活性化への取組につきましては、本年度2回目となる「まちづくり勉強会」を11月9日に開催いたしました。駅前商店会の方々や商工会会員、地域おこし協力隊、高萩市高校生会の参加のもと、高萩駅周辺地区の整備を含めた中心市街地の活性化について、様々な視点からご意見をいただいております。引き続き、勉強会の開催や意見交換を行い、地元商店会や関係機関等との合意形成を図ってまいります。
(道路関係)
観光周遊道路として整備を進めております、上君田十文字南側の市道103号線、高萩カントリー東側の市道213号線の道路改良事業につきましては、年度内完成を目指し整備工事を進めております。
都市計画道路3・4・1号安良川下手綱線につきましては、未取得用地の土地所有者との交渉を進めるとともに、本町4丁目より延伸する道路新設工事の契約を10月に締結し、整備工事を進めているところです。
(水道関係)
浄水場施設につきましては、第一浄水場内の、ろ過(か)池(ち)上家(うわや)及び、第二浄水場管理棟の耐震補強工事を年度内完成に向けて進めております。
(情報・通信)
デジタル技術を活用した地域課題解決のための「DX推進計画」の策定につきましては、総務省の地域デジタル基盤活用推進事業を活用し、専門家の伴走型支援を受け、年度内策定に向けて進めております。市民生活におけるスムーズな情報収集や利便性の高い行政サービスが提供できるよう、引き続き各種行政手続などの電子化を推進してまいります。
次に、底力を高める『地域経営』についてであります。
(公共施設等管理)
公共施設の整備等を行う場合に、PPP/PFI手法の導入の検討を定める「優先的検討規程」につきましては、内閣府が派遣するコンサルタントの助言・指導を受け年度内の策定に向けて進めております。今後も、公共施設等の整備・利活用においては、従来的な手法に加え、民間活力を取り入れた新たな手法の導入を進め、公共施設等の魅力向上や適正な管理運営に努めてまいります。
(男女共同参画)
男女共同参画の推進につきましては、女性活躍推進に対する理解を深めるとともに、職業選択の幅を広げるため、県のダイバーシティ推進センターの職員及び市内で働く2名の方にご協力をいただき、市内中学生を対象とした出前講座を11月より開催しております。今後も多様な生き方を認め合い、誰もが自分らしく輝けるまちを目指してまいります。
(移住・定住)
移住・定住の推進につきましては、11月17日に、NPO法人ふるさと回帰支援センターにおいて、出張移住相談会を開催し、首都圏で移住を検討している方に、高萩市の魅力をPRいたしました。今後も様々な事業をとおして移住・定住人口、関係人口の拡大や若者・子育て世代の定住化を図ってまいります。
最後に、高校サッカーの活躍であります。
11月19日に行われた全国高校サッカー選手権茨城県大会において、明秀学園日立高等学校が見事に優勝を飾り、4年ぶり5回目となる全国選手権へ出場することとなりました。
日頃より本市で寮生活を送りながら石滝サッカー場で練習をされている選手の皆さんが、夏冬連覇を懸けて全国の舞台で躍動されることを期待しております。
以上、主な施政の経過と現況について申し上げましたが、行政運営につきましては、引き続き効率的かつ効果的な事務事業の執行に努めてまいる所存であります。
議員各位には、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、施政経過報告といたします。