ご報告に入ります前に、議員各位には日頃より市政の進展にご尽力いただいておりますことに対し、心から感謝を申し上げます。
初めに、本年1月1日に能登地方で発生した令和6年能登半島地震による被災地への支援等につきましては、3月以降の職員派遣として、3月19日から23日及び4月17日から21日までの2回にわたり計10日間で延べ4名の職員を派遣し、石川県能登町での避難所運営や住家被害認定調査の支援を行ったところであります。
また、4月17日には、副市長が輪島市へ訪問し、中山輪島市副市長と意見交換を行い、今後の支援等の協力を確認しました。加えて、ピアッタマルシェなどのイベント会場や市役所内に設置した募金箱、及び市内中学校で生徒が実施した募金を届けるとともに、被災現場を確認いたしました。
一刻も早い復旧、復興を願っております。
それでは、令和6年第2回高萩市議会定例会の開会にあたり、施政の経過と現況について、第6次総合計画に掲げた6つの基本政策ごとに、ご報告申し上げます。
初めに、安心を支える『保健・医療・福祉』についてであります。
(予防接種事業)
新型コロナウイルスワクチン接種につきましては、令和6年4月から予防接種法の位置づけが変更され、65歳以上の高齢者等はこれまでの特例臨時接種から定期接種のB類疾病の対象となり、年1回の秋冬接種を実施することとなりました。
これにより、今まで無償で行っていたワクチン接種は、個人負担が生じることとなるため、市独自の取り組みとして、高齢者等の重症化予防を目的に、半額助成を行ってまいります。
また、子どもや妊婦の任意接種希望者につきましても、本来、全額自己負担となるところ、子育て支援の一環として生後6か月から19歳未満の人へは同様に半額助成、妊婦へは全額助成を行い、接種しやすい環境を整えてまいります。
なお、これらの予防接種助成費用につきましては、今定例会に補正予算をご提案しております。
(健康増進)
後期高齢者健康診査事業につきましては、健診未受診者の行動変容を促す手法であるナッジ理論を用いた受診勧奨通知を7月中旬の発送に向け準備を進めており、これにより後期高齢者の健診受診率向上を図ってまいります。
(子育て支援)
妊娠期からの支援事業につきましては、妊娠届出のあった全ての妊婦への面談の実施や乳児家庭への全戸訪問など、安心して出産・子育てができるよう、各々の状況等に寄り添った支援を開始いたしました。
また、5月には、市内全中学校の3年生を対象に、命の大切さや思春期の心と身体の変化を学ぶ「いのちの教育」を実施したところです。
今後も、市内全小学校や高等学校においても事業を展開し、児童・生徒の健やかな成長と命を大切にする心を育んでまいります。
未就学児の発達支援事業につきましては、児童の健やかな成長発達を支援する目的で、5月に「就学前アンケート」を実施しました。今後、アンケート結果を基に、保護者の悩みや就学における不安が軽減できるよう、各園とも連携した支援を進めてまいります。
たかはぎ認定こども園につきましては、保育業務を支援するためのICTシステムを4月より導入いたしました。このシステムは、園児たちの登降園状況などの情報共有や、園での子どもたちの様子の画像等をお便りとともに保護者あてに配信する機能等も有しております。これらを活用いたしまして、今後もさらなる良質な幼児教育及び保育環境の実現を図ってまいります。
(高齢者福祉)
高齢者の介護予防につきましては、ボランティアであるシルバーリハビリ体操指導士が中心となって行っている「元気アップ運動教室」を「シルバーリハビリ体操教室」と名称を変更し、4月から市内16会場、18教室で開催しております。
また、口腔機能チェックと低栄養の予防に関するフレイル予防健康教育もあわせて実施しており、参加者からは大変好評を得ております。引き続き、指導士の活動の支援や養成、教室の内容の充実を図りながら高齢者の健康増進と介護予防を推進してまいります。
(国民健康保険・後期高齢者医療保険)
国民健康保険事業及び後期高齢者医療保険事業につきましては、人間ドック健診費用の補助の申込受付を5月8日から17日まで行いました。今後も疾病の早期発見・早期治療による医療費抑制に努めるとともに、被保険者の皆様の健康に対する意識の高揚と健康の保持増進を図ってまいります。
次に、たくましさを育む『教育・文化』についてであります。
(教育関係)
学校再編の検討につきましては、本年3月に策定した高萩市立小中学校適正規模・適正配置実施計画に基づき、高萩中学校、高萩小学校及び東小学校の3校を再編し、新たな学校施設の整備に伴う基本構想、基本計画を策定するため、有識者、学校関係者及び保護者等で組織する「高萩市立義務教育学校施設整備基本構想・基本計画策定委員会」を設置しました。第1回策定委員会を5月22日に開催し、目指すべき学校施設像に関する意見交換等を行いました。
中学校休日部活動の地域移行につきましては、令和8年度の完全移行に向け、本年度は総体終了後からサッカー、バレーボール、ソフトテニス及び剣道の実施に向けて準備を進めております。また、吹奏楽部におきましても、本年度中に試行的に地域移行を実施してまいります。
(生涯学習)
公民館活動につきましては、令和6年4月1日から、総合福祉センター内へ中央公民館機能を移転し、5月から本年度の講座を開講しております。利用者の方々からは、施設が整っておりきれいで使いやすい、エレベーターがあって便利であるなどの好評をいただいております。
引き続き、市民のニーズに応じ、より参加のしやすい講座を企画してまいります。
(スポーツ振興)
本市とフレンドリータウン協定を締結しておりますBCリーグ「茨城アストロプラネッツ」につきましては、4月27日に「高萩市DAY」として高萩市在住・在学・在勤の方々を無料招待し、福島レッドホープスとの公式試合を開催いたしました。
第77回珂北高等学校野球大会につきましては、6月1日から19チームが参加し、高萩市民球場を会場に連日熱戦を繰り広げております。
高萩市民球場の指定管理者につきましては、4月17日から5月8日までの22日間にわたり募集を行ったところ、1件の申請(学校法人明秀学園)を受け付けました。5月10日に指定管理者選定委員会を開催し、承認されました指定管理者について、今定例会にご提案しております。
また、高浜スポーツ広場グラウンドにつきましては、施設を有効活用し、選手の競技力向上、スポーツを通じた交流人口の増加、並びに地域の活性化を図るため、新たに人工芝サッカー場の整備に向けた実施設計費について、今定例会に補正予算をご提案しております。
(市民文化)
歴史民俗資料館につきましては、本年度から愛称を「長久保赤水記念館」とし、市制施行70周年記念事業として、赤水の生涯や功績を紹介する特別企画展や記念イベントの実施に向け、準備を進めております。
(国際交流)
国際交流事業につきましては、5月3日及び4日に「国際交流の集い」が5年ぶりに開催されました。亜細亜大学及び国際基督教大学の外国人留学生10名がホームステイを通じて日本の生活文化を学びながら、親交を深めることができました。
(友好都市交流)
友好都市交流事業につきましては、5月26日に飯能市で開催された「飯能新緑ツーデーマーチ」に市民35名が参加し、新緑の飯能市を満喫し交流を深めてまいりました。
また、市内中学生及び教職員22名もツーデーマーチに参加し、飯能市の中学生と友好を深めることができました。
次に、元気を引き出す『経済・産業』についてであります。
(農林業)
水田農業対策につきましては、令和6年産米の農業者への生産数量目標に相当する数値を、前年比0.7%増の52.1%と設定し、米の需給調整達成に向けた飼料用米等の生産拡大を図るとともに、各農家からの営農計画書に基づき、各種交付金の申請手続きを行っております。
イノシシなどの有害鳥獣対策につきましては、電気柵設置の支援である高萩市鳥獣被害防止施設整備補助金の募集を4月から開始するとともに、高萩市鳥獣被害対策実施隊による捕獲活動を実施しているところであります。
地籍調査事業につきましては、中戸川[2]地区の現地調査を開始したところであります。
(商工業)
中小企業等の支援につきましては、令和5年9月の台風13号に伴う大雨により被害を受けた事業者に対し、被災した施設・設備等の復旧費用の一部を補助する「高萩市被災事業者再建支援事業費補助金」の交付決定を行い、経営の安定や事業の再建に向けた支援を行いました。
雇用対策につきましては、4月12日に高萩市、北茨城市、高萩市商工会、北茨城市商工会及びハローワーク高萩による雇用対策協定運営協議会を開催し、令和6年度の活動等について協議したところであります。
(観光)
観光の振興につきましては、春の恒例イベントである「たかはぎ桜まつり」を3月30日から4月14日まで開催し、約16,100人の方にご来場いただきました。今年は天候にも恵まれ、来場者数は昨年より約5,800人増加し、満開時には春の季節を楽しむ多くの方々で賑わったところであります。
次に、快適を見守る『生活環境』についてであります。
(地球温暖化対策)
地球温暖化対策につきましては、ゼロカーボンシティ実現に向けた身近な取組として、5月20日からアサガオ等つる性植物の種の無料配布を行い「緑のカーテン」設置を呼び掛けております。また、「もらワンちゃん緑のカーテンコンテスト」の参加者を9月末まで募集しております。多くの市民の皆様のご参加をお願いいたします。
(狂犬病予防)
狂犬病予防対策につきましては、4月の土曜日と日曜日の4日間にわたり茨城県獣医師会のご協力のもと、市内35か所で集合注射を実施したところであります。
(交通安全)
交通安全対策につきましては、4月6日から15日までの10日間、春の全国交通安全運動として、各種関係団体及び関係機関の協力を得て、各小学校区の通学路及び交差点等において、立哨指導や街頭キャンペーンを実施し、交通安全運動への協力を呼びかけました。
市内小学校におきましては、新入学児童を対象とした交通安全教室を実施し、児童に基本的なルールやマナーを身に付けてもらうなど、交通事故防止に努めております。
また、自転車事故発生時の頭部損傷被害の軽減を図ることを目的として、本年度から創設いたしました自転車乗車用ヘルメット購入費一部補助制度につきましては、更なる着用率の向上を目指し、あらゆる機会を通じて普及啓発を行ってまいります。
(消防)
住宅用火災警報器につきましては、4月に実施した設置状況調査において、設置率が75.4%であり、昨年と比較しますと1.2ポイント上昇いたしました。今後も市民への広報活動やイベント等での啓発活動を更に強化し、設置率向上に努め、防火意識の高揚を図ってまいります。
耐震性防火貯水槽の整備につきましては、高萩小学校及び向洋台児童公園の2カ所の設置を年内完成に向け整備を進めております。
消防体制の広域化及び連携・協力につきましては、消防体制の基盤強化と住民サービスの向上を図ることを目的に、茨城県消防広域化推進計画に基づく方向性の検討や、両市(高萩市・北茨城市)の消防力の現況調査、課題整理など、県の協力のもと両市消防本部の広域化に向けた協議会の設置について、事務レベルでの協議を進めております。
(防災)
自主防災につきましては、5月24日に「高萩市自主防災組織連絡協議会」を開催し、20団体22名の参加をいただきました。協議会では、各組織の活動報告や「高萩市国土強靭化地域計画」に基づき、市が実施している施策等について説明を行い、防災意識の向上や防災に関する情報の共有を図りました。
(防犯)
防犯対策につきましては、高萩地区防犯協会及び高萩警察署と連携し、春の地域安全運動として、4月25日にJR高萩駅前で「春の地域安全キャンペーン」を実施いたしました。
引き続き、防犯意識の高揚と地域ぐるみの防犯活動の推進に努めてまいります。
次に、便利さを生み出す『社会基盤』についてであります。
(中心市街地)
中心市街地活性化施策につきましては、高萩駅を中心とした中心市街地におけるまちづくりの方向性を示すための「高萩駅周辺地区再整備基本構想」の策定に向けて準備を進めております。
また、基本構想の策定に合わせ、地元商店会や関係機関等との合意形成を図ることを目的に、本年度も「まちづくり勉強会」を随時開催する予定であります。
(道路・河川)
道路関係につきましては、緊急輸送道路や通学路などに指定されている路線の道路改良や交通安全施設の整備を進めるとともに、「高萩市舗装修繕計画」に基づき、効率的・効果的な道路管理に努めているところであります。
地方創生道整備推進交付金を活用した観光周遊ルートの整備につきましては、高萩スカウトフィールド北側の市道104号線、高萩カントリークラブ東側の市道213号線の道路改良工事を進めております。
都市計画道路3・4・1号安良川下手綱線につきましては、未取得用地の土地所有者との交渉を進めるとともに、道路新設工事に着手しており、工事の早期完成に向け、事業の推進に努めているところであります。
河川関係につきましては、準用河川玉川において、関根川合流部の浚渫を実施し、適正な維持管理に努めているところであります。
(水道関係)
水道事業につきましては、現在、秋山地内の配水管布設替工事を進めております。
都市計画道路3・4・1号安良川下手綱線内の管布設工事につきましては、5月27日に工事契約を締結したところであります。
(情報・通信)
情報化施策につきましては、国で進める基幹業務システムの統一・標準化への移行に向け、令和4年度から実施してきた現仕様と標準仕様の比較検討調査が完了いたしました。
今後は、調査結果を基に標準化への移行を着実に進めるとともに、市民生活におけるスムーズな情報収集や、利便性の高い行政サービスが提供できるよう、各種行政手続などにおいてもデジタル化を推進してまいります。
次に、底力を高める『地域経営』についてであります。
(市民協働)
高萩まちづくり支援金につきましては、地域支援事業4団体、文化継承事業1団体、地域づくり事業5団体、にぎわいづくり事業4団体の合計14団体の事業を採択いたしました。引き続き、本市のまちづくり団体の支援を行い、自主的・自発的な活動を促すことで、地域の活性化を図ってまいります。
(市政経営)
公共施設等の整備・利活用につきましては、「高萩市公共施設等管理計画」の策定支援業務に係る委託事業者を選定し、現計画の見直しを開始したところであります。
今後につきましては、公共施設の適正化を進めるための方向性を定めるほか、昨年度に内閣府の支援を受け策定した「PPP/PFI手法導入優先的検討規程」に基づき、従来的な手法に加え、民間活力を取り入れたPPP/PFIの導入を推進し、公共施設等の魅力向上や適正な管理運営に努めてまいります。
ふるさと納税の推進につきましては、魅力ある返礼品の開拓などを進め、納税推進の強化を図っております。
また、本年3月には株式会社ウィザスとの間で、企業版ふるさと納税制度を活用した財政的支援の下で、地域振興を推進するために連携・協力する「高萩市の地域振興に関する協定」を締結いたしました。
ふるさと納税と併せ、企業版ふるさと納税やクラウドファンディングを一体的に推進し、引き続き自主財源の確保に努めてまいります。
北茨城市との建築主事の共同設置につきましては、4月より高萩市・北茨城市建築主事として、高萩市より2名を任命し、建築確認審査及び検査業務を開始しております。
(広報・広聴)
広報につきましては、紙媒体で保管されている市報を将来にわたって保存し、本市の貴重な歴史を後世に伝えていくため、昭和30年創刊からの市報をデジタル化し、ホームページ上での公開を始めました。
引き続き、市民が必要とする情報及び行政から市民へお知らせしたい情報をわかりやすく発信してまいります。
(移住・定住)
奨学金の返還に対する負担軽減を目的として実施している「高萩創生奨学金返還支援補助金」及び住宅の取得やリフォーム費用を支援する「たかはぎ住マイル支援補助金」につきましては、5月7日から申請の受付を開始しました。これらの支援を通して、定住人口の増加や若者・子育て世代の定住化の促進、住宅環境の改善を図ってまいります。
(市税等)
市税につきましては、令和6年度税制改正により、賃金上昇が物価高に追いついていない国民負担を緩和するため、デフレ脱却のための一時的な措置としまして、令和6年度個人住民税に限り、定額減税を実施します。具体的には、納税者及び配偶者を含めた扶養親族1人につき、1万円の減税を行います。
以上、主な施政の経過と現況について申し上げましたが、行政運営につきましては、引き続き効率的かつ効果的な事務事業の執行に努めてまいる所存であります。
議員各位には、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、施政経過報告といたします。