ご報告に入ります前に、議員各位には日頃より市政の進展にご尽力いただいておりますことに対し、心から感謝を申し上げます。
それでは、令和4年第3回高萩市議会定例会の開会にあたり、施政の経過と現況についてご報告申し上げます。
始めに、コロナ禍における「原油価格・物価高騰等」への対策について申し上げます。
新型コロナウイルス感染拡大の長期化及び原油や原材料等の価格高騰等による経済活動への影響を踏まえ、本市は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、各種事業者に対し支援金等の交付を行っております。
交通事業者運行継続支援金につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響による利用者減の中、交通インフラとしての移動手段確保のために運行を継続しているバス事業者及びタクシー事業者に対し、昨年度に引き続き支援金の交付を進めております。
たかはぎ小規模企業者・個人事業主応援給付金につきましては、売上高が減少し、依然として厳しい経営が続いている小規模企業者・個人事業主を対象に、8月末現在、130件、2,600万円の交付決定を行っているところです。
農業経営継続支援給付金につきましては、肥料・農業資材等の価格高騰に伴い厳しい経営状況に置かれている認定農業者等への農業継続支援として、申請があった34件のうち、8月末現在で28件、280万円の交付決定を行ったところです。
続きまして、第6次総合計画に掲げた6つの基本政策ごとに、ご報告申し上げます。
初めに、安心を支える『保健・医療・福祉』についてであります。
(新型コロナウイルス感染症関係)
新型コロナウイルスに係るワクチン接種につきましては、市民の皆様をはじめ、多賀医師会及び各医療機関並びに高齢者施設等のご協力により、8月末現在、市民20,315人、接種率にいたしますと72.9%の方が3回目の接種を終えたところです。また、重症化リスクが高いと考えられる60歳以上の方並びに基礎疾患を有する方等を対象とした4回目接種についても、9,687人の方が接種を終えるなど、順調に進んでおります。
しかしながら、多くの地域においてオミクロン株BA.5による感染が急速に拡大するなど、引き続き予断を許さない状況が続いております。本市においては、市民の皆様の生命と暮らしを守るため、引き続きワクチン接種の円滑な推進を図ってまいります。
(子育て支援)
子育て支援につきましては、コロナ禍において食費等の物価高騰等に直面している子育て世帯及びひとり親世帯等を対象とした「子育て世帯生活支援特別給付金」を、8月末現在、326世帯に給付いたしました。
(高齢者福祉)
高齢者の介護予防・重症化予防として、大変好評をいただいております水中介護予防事業「らくらく水中ウオーキング」につきましては、市内スポーツクラブにおいて6月30日から開始しております。
(国民健康保険・後期高齢者医療保険)
国民健康保険事業及び後期高齢者医療保険事業につきましては、糖尿病等の生活習慣病予防に重点を置いた集団健康診査を、7月7日から総合福祉センター等を会場に実施しております。感染拡大防止対策として、事前予約制とし、受付時の検温や体調確認を徹底して行っております。
次に、たくましさを育む『教育・文化』についてであります。
(教育関係)
児童生徒により良い学習環境を提供するための学校適正配置計画の策定につきましては、7月29日に第2回高萩市立小中学校適正規模・適正配置検討委員会を開催し、小規模校のメリット・デメリット等についての意見交換を行いました。また、小中学校の適正規模等に関する意識調査として、未就学児及び小中学校児童・生徒の保護者約1,700世帯、並びに無作為抽出した18歳以上の市民800人を対象としたアンケートを実施いたしました。今後、このアンケート結果を基に検討委員会で議論を重ねてまいります。
学校教育につきましては、6月21日、30日に小学校2校の訪問指導を実施し、学校経営や授業などに対する具体的な指導・助言をとおして、児童生徒の確かな学力の定着に努めたところであります。残りの小中学校5校についても2学期中に実施する予定であり、引き続き児童生徒の確かな学力の定着及び豊かな心の育成に努めてまいります。また、8月9日には、若手教員の研究授業による授業力の向上を図るために、教科等指導員を助言者として、授業力向上研修会を実施したところであります。
福島県天栄村のブリティッシュヒルズで行われるイングリッシュキャンプへの派遣事業につきましては、8月10日・11日の2日間にわたり、3年ぶりに実施いたしました。中学生8名が参加し、オールイングリッシュによる研修を通して、基礎的な英語力の向上を図るとともに、英語に対する興味関心を高め、英語の必要性について再認識する機会となりました。
広島平和学習派遣事業につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、長距離移動中の感染リスクを避けるため、本年度も中止といたしました。
(生涯学習)
自然を学ぶ少年探検講座「花貫の自然を探る」につきましては8月3日に開催し、参加した児童は市内の豊かな自然に触れながら他校の児童との交流を深めました。
また、例年、夏休み期間中に開催しております野外活動学習「サマージャンボリー」につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み、実施時期を10月末に延期いたしました。なお、友好都市の新庄市を訪問し、両市の歴史的つながりなどを学ぶ「萩っ子歴史探検隊」につきましては、新庄市と協議のうえ、中止といたしました。
(スポーツ振興)
高萩市・飯能市スポーツ少年団友好都市交流事業「兜争奪戦」につきましては、7月16日に秋山小学校体育館において開催し、ミニバスケットボールスポーツ少年団の子どもたち同士が交流を深めました。
また、同日に「令和4年度全国小学生ウエイトリフティング交流大会」、翌17日・18日の2日間には「令和4年度全国中学生ウエイトリフティング選手権大会」が、感染防止対策のもと、文化会館において開催され、全国29都道府県から参加した選手94名により白熱した戦いが繰り広げられました。なお、本市のウエイトリフティング教室からは9名の選手が茨城県代表として出場いたしました。
第50回高萩市長杯争奪軟式野球大会につきましては、17チームの参加を得て9月4日に開会し、以降18日までの毎週日曜日に、高萩市民球場において、熱戦が繰り広げられます。
(市民文化)
穂積家住宅につきましては、劣化した茅葺屋根の葺替工事の契約を7月に締結いたしました。近年では珍しい茅葺屋根の葺替えでありますので、広く市民の皆様にご覧いただけるよう、現場見学会を予定するとともに、年度内完成に向け、進行管理に努めてまいります。
文化会館の自主事業につきましては、8月7日に、松村克弥監督映画「祈り」の上映会を開催いたしました。上映会に先立ち、本市出身の世界的アルト歌手國井美香さんのミニコンサートを開催し、多くの市民の皆様に楽しんでいただきました。
次に、元気を引き出す『経済・産業』についてであります。
(農林業)
水田農業対策につきましては、各農家から提出された営農計画書に基づき、米の受給調整に関する現地調査を実施しているところであります。引き続き、新規需要米等への取り組みを支援することにより、米の需給調整の推進を図ってまいります。
森林公園につきましては、市民が利用しやすい環境の再整備に向け、森林公園整備基本構想策定業務の委託契約を8月に締結いたしました。
有害鳥獣対策につきましては、8月末現在のイノシシの捕獲頭数は14頭となっております。前年同時期の40頭と比較しますと、65%減少しており、豚熱による影響が要因と考えられます。なお、本年度に創設いたしました、電気柵等の設置費用の一部を補助する「鳥獣被害防止施設整備補助制度」につきましては8月末現在で8件の申請がありました。引き続き、被害防止に努めるとともに、鳥獣被害対策実施隊と連携し、対策強化に努めてまいります。
生活改善センターの管理につきましては、秋山生活改善センター、石舟生活改善センター、大能生活改善センター、秋山中集落センターのスロープ設置工事が完了いたしました。また、秋山生活改善センター、石舟生活改善センター、秋山中集落センターの屋根塗装工事の契約を7月に締結いたしました。
(観光)
第50回高萩まつりにつきましては、パレードや神輿渡御を行わず、開催時間を短縮し、7月30日に実施いたしました。3年ぶりの開催にあたっては市内外の企業の皆様から多くのご支援を賜り、締めくくりの花火を盛大に打ち上げることができました。約3万人の方々にご来場をいただき、多くの市民の皆様から開催を喜ぶ声をいただいたところであります。
海水浴場につきましては、7月16日から8月14日までの30日間、こちらも3年ぶりに開設いたしました。今年は天候にも恵まれ、令和元年(5,600人)に比べ約2,100人多い、約7,700人に御来場いただきました。
海岸の活用及び交流人口の増加を図るため、初開催を予定しておりました「タカハギ スター ナイト(スカイランタンイベント)」につきましては、台風の接近に伴い中止といたしました。なお、秋には、さくら宇宙公園を会場に同様のイベントを開催する予定でおりますので、多くの皆様に御来場いただければと存じます。
次に、快適を見守る『生活環境』についてであります。
(一般廃棄物処理施設整備事業)
高萩・北茨城広域事務組合において進めている一般廃棄物処理施設整備につきましては、建物の鉄骨工事が進み、現在は外壁工事やプラント設備の据付工事が行われております。引き続き、北茨城市、高萩・北茨城広域事務組合と連携し、令和5年4月の稼働に向け整備を進めてまいります。
(交通安全)
「夏の交通事故防止県民運動」につきましては、7月20日に、ハローワーク高萩前交差点において、関係機関、関係団体の協力のもと、ドライバーに啓発物品を配布し、交通安全の啓発を行いました。引き続き、広く市民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣づけ、交通事故防止の徹底を図ってまいります。
また、高齢者の事故防止対策として実施しております「高齢者運転免許自主返納支援事業」につきましては、本年6月号市報において「高齢者運転免許自主返納」に係る特集記事を掲載し、返納者への支援策を改めてお知らせいたしました。今後も免許返納がしやすい環境整備に取り組んでまいります。
(防災・減災対策)
防災・減災対策といたしましては、総合防災訓練を、自主防災組織や市民の皆さん、それに市の職員を合わせて176名の参加のもと、7月27日に実施いたしました。本格的な台風シーズンを迎える前に万全の体制を整えるため、今回の訓練ではコロナ禍における大雨災害を想定し、避難所開設・運営の確認、市防災アプリを活用した広報・情報伝達の確認などを行いました。
市の防災アプリにつきましては、7月に、定例民生委員・児童委員協議会や社会福祉協議会支部代表者会議において時間をいただき、インストール方法や操作方法について御説明し、平時から活用していただけるよう普及促進を図りました。
また、7月13日には、災害に関する出前講座を和野集会所で開催し、参加された9名の方に、災害に対する事前準備及び災害発生時の行動について御説明いたしました。今後も市民を対象とした出前講座等を開催し、地域の防災力向上に取り組んでまいります。
(消防)
消防関係につきましては、夏に多発する水の事故に備え、ライフセーバーと合同で水難救助訓練を行い、連携を強化するとともに、海水浴場の開設期間中、海岸を巡回し、訪れた方々の水難事故防止に努めたところであります。
次に、便利さを生み出す『社会基盤』についてであります。
(公共交通)
AIを活用したデマンド型乗合バス「My Ride のるる」につきましては、10月からの本格運行に向け、運行実績による検証等を進め、利便性の高いシステム構築に取り組んでおります。
(道路関係)
市道212号線道路改良事業につきましては、工業団地内の市道1013号線から一般廃棄物処理施設入口までの区間、約600mについて、令和4年度内の完成に向け、工事を進めております。
都市計画道路3・4・1号安良川下手綱線につきましては、道路整備に向けた用地取得のため、土地所有者との交渉を進めております。
都市計画道路3・5・9号安良川赤浜線につきましては、浸水エリアに位置する国道6号の機能を補完する道路でもあることから、災害に強い道路ネットワークの形成に向け、本路線の事業化されていない南伸の道路線形に係る調査業務を発注し、日立市との接続部分について協議を進めております。
(水道関係)
水道事業につきましては、赤浜・島名地区内3箇所の配水管布設替工事、下手綱地区の配水管布設工事、第一浄水場における薬品沈殿池及び管理棟の耐震補強工事、関口浄水場における動力設備更新工事の契約を締結し、年度内完成に向けて工事を進めております。
工業用水道事業につきましては、下手綱地区の配水管布設替工事実施設計委託及び第二浄水場管理棟耐震改修工事実施設計委託の契約を締結し、年度内完成に向けて業務を進めております。
次に、底力を高める『地域経営』についてであります。
(市民協働)
市政懇談会につきましては、8月6日に総合福祉センターにおいて開催し、約30名の御出席をいただきました。本年度の主要事業の御説明後、御出席の方から御意見や御要望を伺うこともでき、大変有意義な懇談会となりました。
市長室開放事業につきましては、2回目を7月20日に開催し、2組6名の方々と意見交換を行いました。次回は10月の開催を予定しております。引き続き開かれた市政運営に取り組んでまいります。
(税務)
令和3年度における市税徴収率につきましては、前年度比0.2%増の98.8%、国民健康保険税については前年度比2.0%増の82.9%と前年度実績より向上しております。本年度におきましても、未だコロナ禍にあることや物価高騰など社会経済情勢が懸念されるところではありますが、引き続き、公平性の確保に向けた適正な事務執行に努めてまいります。
(マイナンバーカード)
マイナンバーカードにつきましては、日曜日の市民サービスコーナーで、事前予約制による申請用顔写真の無料撮影サービスを実施してまいりましたが、市民の皆様から御好評をいただいたことから、7月からは平日にも行うようにいたしました。今後も引き続き取得促進に向けた取組みを実施してまいります。
(遺族援護)
戦没者追悼式につきましては、8月15日の「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に、総合福祉センターにおいて、感染拡大防止のため規模を縮小した形で挙行し、恒久平和への誓いを新たにいたしました。
最後に、高校野球の活躍であります。
7月27日に行われた全国高等学校野球選手権茨城大会において優勝された明秀学園日立高等学校が、夏の甲子園への初出場を決め、春夏連続での出場を果たされました。
8月30日には校長と野球部長、3人の選手代表が本市を訪れ、甲子園出場の報告と、それぞれの思いや感想を話されました。
日頃より本市で寮生活を送りながら練習をしておられる選手の皆さんが全国大会に出場されたことを、市長として大変嬉しく誇らしく思っております。
以上、主な施政の経過と現況について申し上げましたが、行政運営につきましては、引き続き効率的かつ効果的な事務事業の執行に努めてまいる所存であります。
議員各位には、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、施政経過報告といたします。