ご報告に入ります前に、議員各位には日頃より市政の進展にご尽力いただいておりますことに対し、心から感謝を申し上げます。
それでは、令和7年第2回高萩市議会定例会の開会にあたり、施政の経過と現況について、第6次総合計画に掲げた6つの基本政策ごとに、ご報告申し上げます。
初めに、安心を支える『保健・医療・福祉』についてであります。
（予防接種事業）
予防接種事業につきましては、本年4月から定期接種に位置づけられた帯状疱疹ワクチン接種にかかる費用の一部助成を開始し、4月末現在で73人が接種いたしました。
引き続き、多賀医師会及び各医療機関のご協力を頂きながら円滑に進めてまいります。
（子育て支援）
子育て支援につきましては、母子保健と児童福祉の更なる連携強化を図るため、4月から「子育て世代包括支援センター」を「こども家庭センター」に変更し運営を開始いたしました。
これにより、妊産婦及び乳幼児の健康の保持・増進、こどもと子育て家庭の福祉に関する包括的な支援を切れ目なく提供してまいります。
また、たかはぎ認定こども園においては、園児の送迎及び園外保育時の移動手段として、4月から園バスの運行を開始いたしました。
（高齢者福祉）
高齢者の介護予防につきましては、シルバーリハビリ体操指導士が中心となり実施している介護予防運動教室「シルバーリハビリ体操教室」を、4月から市内15会場、17教室で開催しております。
また、6月5日からは、大変好評を得ている水中介護予防教室「らくらく水中ウォーキング」を開始したところです。
引き続き、高齢者が元気でいきいきと活動できるよう、フレイル予防に重点を置いた介護予防を推進してまいります。
（国民健康保険・後期高齢者医療保険）
国民健康保険事業及び後期高齢者医療保険事業につきましては、人間ドックの指定健診機関として株式会社日立製作所日立総合病院を新たに加え、健診費用の補助申込受付を5月8日から16日まで行いました。
今後も疾病の早期発見・早期治療による医療費抑制に努めるとともに、被保険者の皆様の健康に対する意識の高揚と健康の保持増進を図ってまいります。
次に、たくましさを育む『教育・文化』についてであります。
（教育関係）
学校再編の検討につきましては、3月19日に「第6回高萩市立義務教育学校施設整備基本構想・基本計画策定委員会」が開催され、同日付けで、これまでの検討結果を踏まえた「高萩市立義務教育学校施設整備基本構想・基本計画」が答申されたところであります。
一方で、施設整備につきましては、近年の建築資材や人件費の著しい高騰などにより施設整備費が当初想定より大幅に上昇していることから、国の施策や社会経済情勢等の動向を注視しつつ、適した時期を慎重に見極め対応してまいります。
学校教育につきましては、小中学校の訪問指導や教員研修、体験学習等を通して、児童生徒の確かな学力の定着、豊かな心や健やかな体の育成、教員の資質の向上に努めております。
また、児童生徒の個別最適な学びと協働的な学びの実現に向け、タブレット等のICT機器の積極的かつ効果的な活用に取り組んでおります。
開かれた学校運営につきましては、コミュニティ・スクールを全校に導入して6年目を迎え、はぎッズ応援隊による登下校の見守り、花壇等の環境整備や授業の補助などにご協力頂きながら、学校、家庭及び地域の連携を一層密にした学校教育を推進しております。
学校給食費につきましては、特に教育費などの負担が大きい中学生を持つ保護者の経済的負担を軽減するため、本年4月より中学生の給食費無償化を実施いたしました。
また、小学生におきましては、第2子半額、第3子以降無償とする「子育て応援給食費助成」に加え、物価高騰により学校給食費で賄いきれない食材費相当額を公費負担として支援するなど、安心して子育てできる環境整備に努めております。
（生涯学習）
公民館活動につきましては、5月から本年度の講座を開講し、市内の高校生を講師に迎えて開催する「スマホ講座」や利用者からも人気の高い「着物帯のリメイク講座」など、前期14講座には255名の市民が受講することとなっております。
引き続き、「健康」、「福祉」、「生涯学習」を通じた生きがいづくりの拠点施設として各種事業に取り組むとともに、市民のニーズに応じた参加しやすい講座を実施してまいります。
（スポーツ振興・普及）
スポーツ振興につきましては、プロ野球のBCリーグ「茨城アストロプラネッツ」が、5月4日に「高萩市DAY」として高萩市在住・在学・在勤の方々を無料招待し、栃木ゴールデンブレーブスとの公式戦を開催いたしました。
また、本市とプロバスケットボールのBリーグ「茨城ロボッツ」を運営する株式会社茨城ロボッツ・スポーツエンターテインメントにつきましては、5月29日に「フレンドリータウン協定」を締結いたしました。
引き続き、資源の有効活用や相互に連携・協力により、スポーツを通じた地域振興、青少年の健全な育成、市民の健康増進及び豊かな社会生活の実現に取り組んでまいります。
第78回珂北高等学校野球大会につきましては、6月1日から20チームが参加し、高萩市民球場を会場に連日熱戦を繰り広げております。
高浜スポーツ広場グラウンド整備事業につきましては、4月28日に人工芝整備工事請負契約の仮契約を締結し、本契約の締結に関する議案を今定例会にご提案いたしております。
（市民文化）
長久保赤水関係資料修理事業につきましては、令和3年度から8か年計画で進めております。今年度は、4月10日に掛け軸5点を修理受託業者へ引渡し、損傷状況の調査や修理方針等について文化庁と協議を行いながら、修理を進めてまいります。
また、5月18日には、長久保赤水顕彰会並びに日本地図学会会員であり、古地図に関する研究や多くの著書を出版されている海田俊一（かいだとしかず）様から、大変貴重な初版第9訂の赤水図をご寄贈いただきました。
ご寄贈いただいた赤水図につきましては、長久保赤水記念館にて広く活用していきたいと考えております。
今後も、長久保赤水の偉業を全国へ広く発信するため、長久保赤水顕彰会等と連携しながら取り組んでまいります。
（友好都市交流）
友好都市交流事業につきましては、5月25日に飯能市で開催された「飯能新緑ツーデーマーチ」に市民18名が参加し、新緑の飯能市を満喫し交流を深めてまいりました。
次に、元気を引き出す『経済・産業』についてであります。
（農林業）
水田農業対策につきましては、令和7年産米の農業者への生産数量目標に相当する数値が前年比1．7％増の53．8％と設定されたところです。米の需給調整の達成や農業経営の安定に資するため、支援制度である経営所得安定対策の取組みを継続し、各農家からの営農計画書に基づき各種交付金の申請手続きを行っております。
イノシシなどの有害鳥獣対策につきましては、電気柵設置の支援である「高萩市鳥獣被害防止施設整備補助金」の募集を4月から開始するとともに、高萩市鳥獣被害対策実施隊による捕獲活動を実施しているところであります。
地籍調査事業につきましては、中戸川[3]地区の現地調査を開始したところであります。
（商工業）
商工業につきましては、商店街の活性化による地域経済の持続的発展や環境への配慮、夜間通行の安全を図るため、商店街街路灯のLED化整備費用及び電気料金の一部を引き続き支援してまいります。
雇用対策につきましては、4月18日に高萩市、北茨城市、高萩市商工会、北茨城市商工会及びハローワーク高萩による雇用対策協定運営協議会を開催し、令和7年度の活動等について協議いたしました。
（観光）
観光の振興につきましては、春の恒例イベントである「たかはぎ桜まつり」を3月29日から4月13日までの16日間、さくら宇宙公園で開催いたしました。今年は、さくらランタン打上げなどのライトアップやドッグ＆フードフェス開催などイベントを充実し、期間中の来場者は昨年に比べて、約20％増の約19，000人の方にご来場いただき、春の季節を楽しむ多くの方々で賑わったところであります。
また、県との共催による「花貫ダム点検放流」を4月13日に実施し、ダム機能の理解を深めて頂くとともに、普段は見ることの出来ない放流の様子を県内外の約360人の方に体験していただきました。
次に、快適を見守る『生活環境』についてであります。
（地球温暖化対策）
地球温暖化対策につきましては、ゼロカーボンシティ実現に向け、本年3月に策定いたしました第5次高萩市地球温暖化対策実行計画に基づき、4月に本庁舎の空調設備に節電システムを設置し、省エネルギー化を図っております。
また、身近な取組の一つとして、5月21日から市民にアサガオ等つる性植物の種を無料で配布し「緑のカーテン」の設置を呼び掛けるとともに、「もらワンちゃん緑のカーテンコンテスト」への参加者を9月末まで募集し、多くの皆様にご参加をいただけるよう準備を進めております。
更に、家庭における再生可能エネルギーの導入促進を図るため、家庭用蓄電システム設置費補助金を新たに創設し、6月より申請の受付を開始したところであります。
（狂犬病予防）
狂犬病予防対策につきましては、4月の土曜日・日曜日の4日間にわたり、茨城県獣医師会のご協力のもと、市内延べ34か所において集合注射を実施いたしました。
（交通安全）
交通安全対策につきましては、4月6日から15日までの10日間、春の全国交通安全運動を実施いたしました。期間中は、高萩警察署を始め、各種関係団体及び関係機関のご協力により、各小学校区の通学路及び交差点等において立哨指導や街頭キャンペーンを実施し、交通安全意識の向上を呼びかけました。
また、本年度は、高萩市民間交通指導員の改選年度であることから、改めて19人の皆様を指導員に委嘱いたしました。
引き続き、指導員の皆様にご協力いただきながら、通学路における立哨指導や街頭キャンペーンなどを通じて交通安全思想の普及・浸透に取り組んでまいります。
（消防）
住宅用火災警報器につきましては、4月に実施した設置状況調査の結果、設置率が前年比0．6％増の76．0％となりました。今後も市民への広報活動やイベント等での啓発活動を更に強化し、設置率向上に努めてまいります。
耐震性防火貯水槽の整備につきましては、駒木原児童公園及び小島団地集会所の2か所の設置を進めております。
また、第9分団（駒木原）の小型ポンプ積載車の更新につきましては、5月22日に契約を締結し、年度内の納車に向け調整を進めております。
（空家等対策）
空家等対策につきましては、令和8年度から令和12年度までの5年間を計画期間とした空家等対策計画を策定するため、4月1日に実態調査委託契約を締結し、市内の空家調査に着手したところであります。
（防災・減災対策）
防災・減災につきましては、5月9日に医療法人永慈会と「災害時における避難所施設としての使用に関する協定」を締結いたしました。災害時における周辺住民の一時的な避難施設として利用させていただくことで、市民の安全・安心の確保に繋がるものと考えております。
また、5月15日には市内の自主防災組織等で構成する「高萩市自主防災組織連絡協議会」を開催し、20団体21名の参加をいただきました。協議会では、各組織の活動報告や市が実施している施策の説明のほか、高萩警察署員から災害対応等の講話をいただき、地域における住民の防災意識の向上を図りました。
（防犯）
防犯対策につきましては、高萩地区防犯協会、高萩警察署及び関係団体と連携し、春の地域安全運動として4月30日にJR高萩駅前で「春の地域安全キャンペーン」を実施いたしました。
引き続き、防犯意識の高揚と地域ぐるみの防犯活動の推進に努めてまいります。
次に、便利さを生み出す『社会基盤』についてであります。
（中心市街地）
中心市街地活性化施策につきましては、「高萩駅周辺地区再整備基本構想」の策定に向け作業を進めております。
また、基本構想においては、地元商店会や高校生会、PTAなどの参加により昨年度開催した「高萩駅周辺地区再整備検討ワークショップ」において挙げられた多くの意見や、地権者及び関係機関との協議などを踏まえ、高萩駅周辺地区のまちづくりに関する方向性を定めてまいります。
今後は、基本構想で定めた方向性に沿った施策が実現できるよう、地元商店会や関係機関等との合意形成を図りながら進めてまいります。
（道路・河川関係）
道路関係につきましては、緊急輸送道路や通学路などに指定されている路線の道路改良や交通安全施設の整備を進めるとともに、「高萩市舗装修繕計画」に基づき、効率的・効果的な道路管理に努めているところであります。
交通安全整備事業につきましては、通学路合同点検プログラムに基づき、高萩市給食センターから東小学校までの市道1408号線及び市道1318号線の歩道整備工事発注に向け準備を進めているところであります。
観光周遊ルートの整備につきましては、中戸川地区の市道104号線の待避所設置工事及び高萩カントリークラブ東側の市道213号線の道路舗装工事の発注に向けて準備を進めているところであります。
都市計画道路3・4・1号安良川下手綱線につきましては、早期完成に向けて事業を進めているところであります。
（水道関係）
水道事業につきましては、「高萩市水道ビジョン」に基づき、第一浄水場内の老朽化した薬品注入設備更新工事の発注に向け準備を進めているところであります。
工業用水道事業につきましては、本町地内における工業用水道配水管布設替工事の発注に向け準備を進めているところであります。
次に、底力を高める『地域経営』についてであります。
（市政経営）
第6次高萩市総合計画後期基本計画及び第3期高萩市創生総合戦略につきましては、昨年度に実施した市民アンケートの調査結果を踏まえ、今年度中の策定に向け各施策の検証作業を進めております。
ふるさと納税の推進につきましては、現地決済や体験型の返礼品など魅力ある返礼品の開拓を進め、寄附額の増加に向け全庁を挙げて納税推進の強化に努めております。
引き続き、ふるさと納税と企業版ふるさと納税を一体的に推進し、自主財源の確保を図ってまいります。
公共施設等の整備・利活用につきましては、「高萩市公共施設等管理計画 再改訂版」を6月中に策定できるよう作業を進めております。
「再改訂版」におきましては、施設の機能は減らすことなく集約を進めることで利便性の向上や機能の充実を図ることを目指すとし、限られた財源のなかで人口規模に合わせた適正規模・適正配置を進めるための方向性を定めてまいります。
また、令和5年度に策定した「PPP／PFI優先的検討規程」において、内閣府の支援対象自治体として運用支援を受けることが本年4月2日付けで決定したところであります。
旧中央公民館解体工事につきましては、6月中に解体工事契約の締結に向け、準備を進めているところであります。
（市民協働）
高萩まちづくり支援金につきましては、地域支援事業に4団体、文化継承事業に1団体、地域づくり事業に5団体、賑わいづくり事業に1団体、合計11団体の支援について採択したところであります。
引き続き、まちづくり団体の自主的・自発的な活動を支援し、地域の活性化に繋げてまいります。
（移住・定住）
奨学金返還による負担を軽減する「高萩市創生奨学金返還支援補助金」及び住宅取得やリフォーム費用を支援する「たかはぎ住マイル支援補助金」につきましては、5月7日から申請受付を開始したところであります。これらの支援を通して、定住人口の増加や若者・子育て世代の定住化の促進、住宅環境の改善を図ってまいります。
（男女共同参画）
男女共同参画につきましては、令和8年度から令和12年度までの5年間計画である「第4次男女共同参画プラン」策定に向け準備を進めているところであります。
以上、主な施政の経過と現況について申し上げましたが、行政運営につきましては、引き続き効率的かつ効果的な事務事業の執行に努めてまいる所存であります。
議員各位には、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げ、施政経過報告といたします。